最愛のビッチな妻が死んだ 第33章 取り戻した日常

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交際49日目 4月6日

 この日、あげはは知り合いの写真家のモデルとなっていた。

「打ち合わせ、始まった?」

「服選んでもらってる」

「了解。身体休めつつ、がんばってね」

「はーい。キレイに使うので模造刀借りていいですかって」

「どぞ。なんでも使って」

「ありがと

好きだよ。

しかし不安だww

写真ね」

「あげは

最高にかわいいから大丈夫だ」

「デヴ」

 撮影場所はあげはの実家であった。

「部屋を荒らされている」

「撮影用に、かな?」

「うん。

がんばる」

 最初のLINEから1時間が過ぎ、撮影は無事スタートしたようだった。

「撮影開始」

 とクスリのサトちゃんに囲まれたあげはの画像が送られてきた。

「こんな感じ」

「う〜、よくわからんw」

「かわいく撮れてればなんでもいい。

「大事なのはあげの表情!」

「仕事、だいたい終わった〜ヒマに」

「一階に移動」

「ニャンコは?」

「一緒に。

出たがりニャンコ」

 僕は会社帰りにすでに咲き乱れた後の桜の画像を送った。

「わー、すっかり散ったね。

なんか超カオス

ウェディングドレスに模造刀とか。わからん。Ww」

「一緒に撮りたかったわw」

「あげは共輔に撮られたいわ。

痩せた後」

「毎日撮りたいね」

「頼むよ」

「痩せる前に」

「痩せゆく日々を」

「急がねば…

…お腹減った。

「そろそろ終わり」

「お疲れ様」

 あげはは熱っぽいと言っていたので、無事に撮影が終わったようで安心した。

「熱はどう? ちゃんといっぱい食べた?」

「食べてない。

終わったよーー。

ただいま」

「おかえり。

飲み会スタート! 早いw」

「早いなーー」

 仕事関係者との飲み打ち合わせだった僕は6時から飲み始めていた。

「はー、アートに付き合い過ぎてどっと疲れてしまった」

「いい子いい子を」

 あげはから、カピバラさんのぬいぐるみを抱いた画像がくる。

「カピバラさんが」

「小顔効果に利用されている」

「モフモフやな」

「寝ちゃうかも」

「寝てて」

「ウェディングドレス撮影は、誰さんにお願いしよう。

カメラマンの知り合い多くて難しいな」

「僕が

1番最初に撮りたいな」

「え! 一人で撮んの?」

「セルフで

タイマーね」

「痩せなきゃ。

かわいく撮ってね」

「かわいいから、さらに」

 何点かの作品撮りされたあげはの画像がきた。

「人形みたいやな」

「自称セックスアンドロイドバービーだったから。

"帰る時電話して。

その電話で起きて掃除する」

「了解」

 その後、あげはは1時間ほど仮眠をしていたようだった。

「5人で花見に行く夢を。

おはよ」

「ニャン」

「ニャンニャン」

 僕は飲み会の様子を写メで送った。

んー、どしたどした」

「飲み会長い長い〜と」

「髪跳ねてるよ!

チャック開いてるよ!」

「空いたことない」

「いっぱい酔ってきて」

「一次会終了ムード」

「二次会は?

ごはん食べてくるよね。

「なんか簡単な物食べようかなーと思ってた」

「酒しか飲んでない」

「え!

じゃあ何か作らねば」

「あげは食べる」

「あのねー、何もない。

お金も肉も魚も。

"誰か肉送ってくれないかなーー。

牛舎持ってる友達いたっけな?」

「いたかな〜

二次会スタート」

「マジで何もないから、食べてきておくんなまし。ヤケドした」

「大丈夫?」

「うん。

食べてきてくれないと困る」

「適度に食べるね」

「たんとお食べ」

「あげ腹」

「終電なくなったら迎え行く」

 そして飲み会は12時を過ぎても続いていた。

「夫よ、終電ある?

初めての朝帰り(?!)

楽しみーー」

 1時を回ったころ、あげはより電話。

「心配してるよ」

「まだ池袋」

「いや、あまりにも連絡なかったから」

「帰ります」

「迎え行く?」

「タクるから大丈夫」

「了解」

「眠い」

「うん」

「あげは不足」

「足りたら足りたでα波だって言って寝るでしょ!」

「お腹ムニムニしたい」

「お腹は実家に帰ってます。

置いてきた

邪魔だから」

「飲み8時間経過…」

「長かったね」

「もう着く」

「はーい」

 2時ごろ帰宅して、今日初めて出会った僕たちはお互いの不足分をげ直接言語と身体言語で補い合って寝た。

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最愛のビッチな妻が死んだ 第34章

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