インドの山奥で修行してきた話-2 【成田→クアラルンプール】

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1997年10月24日 AM10:30 成田発
当時はまだ飛行機の中で煙草が吸えた時代。
シートベルト着用サインが消灯するやいなや辺り一面モクモクと白い世界が広がる。


今では考えられない光景。当然私も緊張をほぐすべくチェーンスモーク。
また当時がそうだったのかマレーシア航空が素晴らしい航空会社だったからか知らないが常時ドリンクをお盆に乗せたCAさんが行ったり来たり。
今ではよく仕事でタイ航空を利用するが酒は決まった時間にしか配給されない。
もちろんボタンで呼び出して酒をオーダーすることは出来ますけど盛んに酒頼むと露骨に嫌な顔されますもんねぇ
もうね、この時は飲み放題の居酒屋感覚で飲みまくりましたよ。
ウィスキー&ソーダ!面倒くさいからもう5〜6杯まとめて置いておいてよ!って感じでした。

酒・煙草・映画、この旅で唯一幸せな時間帯だったと思う。
機内はまだまだ日本。乗客もほとんどは日本人だし日本人CAも居る。
映画を観ながらひたすら飲酒+喫煙する事3時間半。

PM2:00 機上にてすでに泥酔

機内食も終えて映画も2本観終わった。

。。。。。暇

この時酔ってたのと暇すぎたので隣席の人に話しかけた。
物凄くインテリなオーラを発していたので今まで近づけずに居た。
「これ良かったらどうぞ。お近づきのしるしに」と無料で配給された
ウィスキー&ソーダを恩着せがましく渡す私。
戸惑いながら「あ。どうも。。。。」と隣人。
ここで逃してなるものか!と酔った勢いで話しかけまくる。だって暇なんだもん(・∀・)
隣人の行き先はクアラルンプール経由でウィーンだとのこと。
氏が監督撮影した「DUO」という映画がなんたらかんたらで
ヴィエンナーレ国際映画祭へ招待さてれるらしい。
え???なんか凄い人なんやないのこの人!! うわーーーこれから何話そ???
と躊躇するも当時の私はそれなりに熱かった。


何者でもない只の学生のくせに偉そうに芸術論や創作活動について語りまくり氏に意見を求めまくった。
「僕が映画を撮るときはですね、即興なんですよ。映画には沢山の人が関わっててその時その時のスタッフの空気を感じながら自然体で作り上げていくというか、私は監督であるけども私が作ってるんではなくて全体の空気で作るといいますか、わかります?」
その後氏と別れ私の日記に記されていた言葉である。印象に残ってたんでしょうね。
その後トランジットでどっかの空港に1〜2時間停機してる間も二人機内に残ってひたすら飲みまくるほどに話は盛り上がった。
氏も私の話には興味抱いて下さった様で、「インドは私よく知らないんですけど、へーー!! そんなこんなで今から一人で7週間も!! 建築マンダラって面白そうですねー。しかし言葉も通じないのに調査とかなんとかなるもんなんですか? いやーー!どうなるのか興味ありますわ〜。 日本に戻ったら連絡くださいよ〜」と連絡先交換してPM7:30クアラルンプル着とともにお別れ。
その時の日記には連絡先と共にこう記してあった「映画監督 諏訪敦彦氏と語る。帰国後の再開を約束」と

実に5時間以上盛り上がったものの帰国後お互い連絡することはなし。そんなもんすよね。旅先での出会いって。

余談であるがそれから10数年経ったある日、ネットニュースで氏の名前をたまたま発見。
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1304/09/news076.html
ん?? 
諏訪敦彦??? なんか覚えがある。。。。あーーー!あの時の人やん! へーー偉くなったんやなぁ。。。。
Wikiページが出来るほどに。。。。なるほど。。。あの時の映画が初の長編映画かぁ。。。
即興的演出技工ねぇ。。。そんな事話してたなぁ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AB%8F%E8%A8%AA%E6%95%A6%E5%BD%A6

まぁそれは後日談として当時のことに話を戻すと、クアラルンプールの空港で急に一人ぼっちになり物凄い孤独感に襲われたのを覚えている。
トランジットの手続きを終えて一人でひたすらため息付きながら3時間。
最後の方は酔いも覚めてきて若干二日酔い状態。
クアラルンプール発マドラス行きの搭乗待合室はインド人だらけ。
私が青ざめていたのは二日酔いのせいばかりではない。
PM10:00搭乗開始。機内までの足取りはドナドナ。売られていく仔牛のようであったろう。



(つづく)


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インドの山奥で修行してきた話-3 【クアラルンプール→マドラス】

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