インドの山奥で修行してきた話-4 【無事に到着はしたものの】

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1997年10月25日(土)AM3:30 hotel impara conti着

深夜のマドラスをタクシーでひた走ること約1時間。
タクシーはある建物の前で停まり運転手はトランクから荷物を下ろし始めた。
どうやらここがインド人A・Bが手配してくれたホテルの様だ。
。。。。。。。。。
辺りが暗くて分からないが少なくとも全然ホテルっぽくない。。。。廃墟?或いは建築中ってな感じのアングラ感が満載。
このやろーー、多分指示されたホテルじゃなくてマージンがもらえる適当なホテルに連れてきやがったな。
しかし時間も時間。私は乗り物の中で眠れないMr.神経質君なのでこの時点で疲労困憊。時差を考えるともう丸一日以上寝てない計算になる。
諦めて大人しく運ちゃんとフロントへ。
フロントのオジサン、寝てるところを起こされたけど突然のラッキーな客にあからさまにびっくり仰天ってな顔。




「自慢じゃないが、うちのホテルには部屋にシャワーまで付いてるんだぜ!!」とごきげんに話しながら鍵を差し出す。
「うちは1泊500ルピーだけどデポジット込でとりあえず1000ルピーな!」とあからさまにボッタクリ。
ちなみに当時のレートは1ルピー=3円程度。このクラスのホテルで1000ルピーはあり得ない。
しかし一刻も早く横になりたかった私は大人しく1000ルピーを渡して鍵を受け取る。
フロントオヤジとタクシーオヤジから満面の笑みで見送られ、よいしょよいしょと大きな荷物を抱えて一人薄暗い階段をのぼり部屋へ向かう。
これ本当にホテル????と疑問に感じながら指定された番号の部屋にたどり着く。
重い鉄扉を開けて部屋に入る。
電気をつける。辺りを見渡すと。。。。。。。




考えるのはヤメ!!!!! とりあえず寝る!!!!
荷解きもせずに着の身着のままとりあえずベッドに倒れ込んだ。
この時点で既に泣き出しそうだったのを覚えている。

翌朝 
AM10:30 起床

早朝からものすごい騒音。にもかかわらず疲れから遅くに起床。
なんと騒音源は今泊まっているホテルそのもの。
昨晩、なんかこのホテルおかしいぞ・・・とは思っていたが・・・まさか改築工事中だったとは・・・
激しい騒音の中、改めて部屋を見渡す。


やっぱり悲惨の一語・・・映画「ソウ」の1作目で鎖で繋がれた主人公が目覚めた時のシーンをイメージしていただければわかりやすいと思う
コンクリートの地肌が露わになった内装。そして16畳程はあろうかと思われる空間にただベットがぽつんと1つ。それ以外には何もない。外部は完全にシートに覆われていて光すら入らない。
とりあえずシャワーを浴びようと思った。
フロントの親父が「うちはシャワー付きだぜ!」とご機嫌に話していたご自慢の設備。
ご機嫌だった。




なんと蛇口に子供用の象型じょうろ(昔ラッキー池田が頭に付けていたやつ)を付けただけのもの。
ご機嫌すぎて涙が出てきた。そして象の鼻からは水しか出なかった。冷たかった。


(つづく)


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