インドの山奥で修行してきた話-10 【マドラス→ダーラシュラム村】

前話: インドの山奥で修行してきた話-9 【見知らぬインド人との酒盛り】
次話: インドの山奥で修行してきた話-11 【インドの山奥で民家に不法侵入開始】

1997年10月27日(月)4日目 7:30起床

今日は調査目的地の近くの村まで特急列車で移動。二日前にチケットを買いに行ったアレ。
昨日買ったウィスキーボトルを持ち運ぶのが面倒だと思い、昨晩はその酒を飲み終わるまで一人頑張ったので結構な二日酔い。
フロントに念のためモーニングコール頼んでおいたが掛かって来なかったのは御愛嬌。アジア諸国では全然念の為にはならない。
二日酔いで辛いが荷物をトランクに突っ込みまくって出発。

リキシャに乗って駅まで10ルピー。到着するなり駅で待ち構えてたポーターが群がる。
有無をいわさずいきなり荷物を奪おうとしてくるので要注意。





普段は荷物を奪われる前に値段交渉するのだが、この時は二日酔いで辛かった事もあり交渉前に奪われる。
ちなみにこのポーターたちは別に駅職員とかではない。勝手にフリーランスで金を稼いでるだけ。よって金額なども定まっていない。
荷持が重かったり階段が多かったりするとビックリする様な金額言われてモメる。
この時もモメたモメた。普通は5ルピーが相場だけど結構な荷物だったし階段もあったので10ルピー差し出したら20ルピー寄越せと。
激しく言い合って結局は中間の15ルピーで決着。日本で言ったら50円か60円かっていう闘いやったんやけど、現地では現地通貨で考えるのが基本

まぁそんな訳で今からチョーランエクスプレスって特急列車で8時間の旅。距離にして5〜600kmくらい?
長旅なのでファーストクラスで。380ルピー。日本円にして約1500円ってところ?
ファーストクラスって言ってもその下は1等席と2等席しかない。
1等席は座席が木のベンチ、2等席は貨物列車並ってレベルだからファーストクラスって言ってもその程度。



座面内部にちゃんとクッション材が入ってる、且つ各シート毎に肘掛けが付いてるってのがインド流ファースト。
まぁ多くの座席はカバーが破れてバネが飛び出しててってのがまたインドらしい。

AM9:00 エグモア駅発。とりあえず寝る。二日酔い酷い。列車の揺れもひどくめっちゃ気分が悪い。
外人がこの列車に乗ってるのが珍しいらしく次から次に乗客に絡まれる。
終いには車掌にも絡まれる。勝手に隣の席に居座りずっと尋問。笑顔で応対。
頼むから寝かせてくれ。。。。。。。




ひと通り乗客と車掌からの尋問が終わった頃に車内食の供給。これはファーストクラスだけの特権。
この車内でのカレーがインドで食べたカレーの中で一番うまかった。多分インド人的にはチープな類のカレーだが日本のカレーに一番近い。
昼食後はのんびりとした列車の旅。車窓から見える光景はただひたすら原野。インドは北海道よりでっかいどー。
午前中で尋問は終わった様だ。とりあえず寝る。
。。。。。。。。。
午前中に話しかけられた人に「クンバコーナムで降りるから」と話していたので間もなく到着というタイミングで起こしてくれた。
あぶなかったわ〜。それ伝えてなかったら乗り過ごしてまた数日列車を待つパターンになるところでした。

PM5:30 クンバコーナム駅着
駅からリキシャで前回調査時も滞在したホテルRAYAへ。
この村一番のホテルだがまぁレベル的には漫画「がんばれ元気」のお父ちゃんが試合前日に元気君と泊まってた宿と同じレベルの哀しい感じの宿ね。
ホテルに到着したら2年前に居た周辺の人達から大歓迎。芸能人が到着したかのような歓待を受ける。
2年前に俺らからめっちゃ金儲け出来たからまた今回も!って意味だというのはなんとなく分かった。
且つ「あれ????今度は一人か???」という稼ぎの面での不安もあからさまに感じさせる微妙な歓待であった。

PM7:00 ホテルで夕食
前回調査時はいつも5人でここで食事してた。
そのためここでもあからさまに「あれ???
今度は一人か???」という戸惑いの対応をされる。
前回の滞在時には相当に儲かったのだろう。今回一人である孤独さを痛感。
ここは注文してから料理が出てくるまでが長い。
前回は仲間が居たので会話で時間を潰せてた。
今の時代ならスマホを見たりとかで時間を潰せる。
ただここでは時間を潰す手段はアナログな物しかない。



料理が出てくるまでの間ずっと日記を書いていた。毎日1時間近く。
その記録がここでの記述の資料になってる次第だったりする。
因みにこの記念すべき調査地到着の初日に何を食べたかの記録はない。。。。。
当時気分的に余程滅入っていたのであろうと思われる。

日記には「PM8;00部屋に戻る。インドドラマをTVで観ながら意味もなくゴロゴロする。PM10:00就寝」とだけ記してあった。
翌日からの過酷な日々を想い、ブルーな気分になっていたのは覚えている。
何しろ外人が言葉も通じない全然知らない人の家に上がり込んで実測させてもらうって使命だったからね〜

(つづく)


著者の岩野 亨さんに人生相談を申込む

続きのストーリーはこちら!

インドの山奥で修行してきた話-11 【インドの山奥で民家に不法侵入開始】

著者の岩野 亨さんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。