インドの山奥で修行してきた話-13 【調査中のルーティンと現地メシ】

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1997年10月28日(火)に始まったクンバコーナム市を拠点としたダラシュラム村及びパライヤライ村での単独突撃民家調査は11月17日(月)まで3週間(7軒の住宅採寸データを集取)続いた。

当初の予定ではマドラスでの事前聞き取り調査等で1週間、現地調査に最大5週間(5〜10軒の住宅採寸データを目標)、再度マドラスでの聞き取り調査等に1週間の計7週間を見越して帰りの航空券を手配していたのですが、イザやってみると単独調査での孤独感ハンパなく、且つ言葉も通じない異国人の家に上がり込み実測させてもらう為の交渉が困難を極めたので、実測以外の作業を夜にホテルの部屋ですることにより期間短縮を試みた次第。
日に日に村の住民たちと険悪になって行く話はまた後日。

調査期間中の毎日のルーティンは下記の通り
11:00 
アイラバテシュバラ村に向けて契約オートリキシャにて出発
11:30 アイラバテシュバラ村着、前日調査交渉後スケッチ済の住宅にてそそくさと実測

実測終わり次第 次の住宅に交渉開始(これがかなり難儀) 
交渉成立次第  外周だけ実測して内部詳細を野帳にスケッチ
16:30 迎えに来たオートリキシャにて
クンバコーナム市のホテルへ戻りしばし休憩
19:00 ホテル・レストランで夕食(料理が出てくるまでいつもかなりの時間が掛かるのでこの間に日記)
20:00 後半スケッチした住居を大判用紙に清書(これかなり時間がかかる。もちろんインドウィスキー飲みながら)
25:00 就寝
09:00 起床後昨晩清書した図面に寸法線書き込み。この日の採寸段取り等イメージしながら。
10:30 部屋で軽く朝食兼昼食

という流れ。11時に出発して17時にホテルに戻るというスケジュールを組んだのは、村にはメシを食う店が一切ないという理由から。
前回調査の時は午前中3時間調査、昼飯を食いに一度街まで戻ってホテルで2時間休憩、午後再び村に出向き3時間調査というスケジュールだったが、今回は一人だったし時間もリキシャー代も勿体無いということで。
ただ調査序盤、村人たちが物珍しさから比較的歓迎ムードだった時は調査した住居で一緒にお昼をごちそうになったりしてた。

実測していると昼時に無言で「まぁ、飯でも食え!」みたいなゼスチャーをされ、ついていく。



家人達(総勢10人程)は既に車座になって飯が配られるのを待っている。
間に入って石床の上に座る。
すると奥さんがそれぞれの前にバナナの木の葉っぱを敷く。床の上に。
そしてその上に御飯を手づかみで乗せる。
そして御飯の上にカレーをかける。ちなみにこれも手で。


そしてそれをもちろん手で食べる。
これはなかなか楽しい経験であった。
が、問題が一点。
それは水。
ここの住人達は川から汲んできた水を平気で飲む。
色は茶色。なんか微生物みたいなのが見える。
で、自分の分だけは客人という事でなのか水ではなく「ラッシー」(インド版カルピスみたいなもの)が出される。
ただ・・・主成分は皆が飲んでいる水と同じであることは一目瞭然。
微生物がたくさん見えてたから・・・・



「ラッシー」に手をつけない自分に住人は次々に「飲め!(これ、うまいから)」みたいなゼスチャーをする。
「これ飲んだら絶対、身体に異変が起きるよな・・・」と思い躊躇。
「飲め!(これ、うまいから)」みたいなゼスチャーを続ける住人達。
しかも子供達が「いいな~・・」みたいな視線・・・
プレッシャーに負けて口を付ける。
すると「もっと飲め!」みたいなゼスチャーを続ける住人達。

この人たちに悪意が無いのはものすごく分かるんだけど・・・
はじめて大学の新歓コンパで一気飲みさせられる酒を飲めない人の気持ちが分かりました。(ちなみに自分は昔すごい酒豪でした。自慢は日本酒1升を瓶で一気飲み経験が有る事です。ただし翌日の二日酔いが並大抵のものではなかったです。絶対に挑戦しないように。)




結局ラッシー2/3くらい飲んだところで勘弁してもらいました。
そんなのを繰り返して4日目以降は「もう食事は遠慮しとこう」と決心していたのですが、4日目以降は食事に誘われるどころか、なかなか調査のために家に入れてもらえないという・・・

いやーしかし、その後下痢がすごかったですね。でも怪しい病気に掛からなくてよかったです。自分としても一か八かだったんですけどね。

(つづく)



          ↑これは列車内ファーストクラスでの食事

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