一年間の浅いい話第五回

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 ついこの間登場したおばさまCとおばさまEの話です。女の人というものはとかく嫉妬深い生き物です。それが年の離れた者どうしならなおさら深くそこも見えません。おばさまEはかなりのお年であり、おばさまCは相対的に若いおばさまでした。
 ある日、私がおばさまCにマフラータオルをプレゼントしました。じつはいろいろと訳がありますが、それはふせといて、その次の日のことです。どこかの日帰り温泉で勝ってきたようなタオルを水で絞って首に巻きつけ、しつこく私に挨拶を繰り返しました。もちろん普段から挨拶はかかせしせんでした。挨拶は心の潤滑油などとおっしゃる奇特なかたも大勢いますから、わたしとしては、正直なところ心にまで油が必要なの?などと思ってしまうのですが、それはさておきおおさかのそれはやさしいおばさまですから、普段から挨拶を交わしてはいたのですが、その日は、顔を合わすたびに、「おはようございます。今日は暑いな」などと、夕方終業時刻間近なってまで、「おはようございます」を繰り返し、そのたびに片手で頸のタオルをつかんでは「ほんまに熱いわ、今日は」を繰り返すので、ホテル内なので冷房が効いているのにもかかわらず、外気の温度がわかるなんて、やはり大阪のおばさまは半端ないと感心しました。
 さて、このマフラータオルですが、実はとんでもない事件を巻き起こすのです。それは次回、最終回にて。

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