コーギーと過ごした3494日と12時間くらい。うちに来てから旅立つまでの毎日。

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お姉ちゃんに心配させないように、そっとだったんでしょ。お姉ちゃん泣き虫だもんね。




夕方、お姉ちゃんから電話もらってすぐにわかったよ。


お父さんと国立駅で待ち合わせて駅前のお花屋さんでかわいいお花を買って、


お父さんと一緒にタクシーで実家に帰ったんだけど


久しぶりに流れる国分寺の景色とあいまってふるふるきたよ。


あ、ここはめいとの散歩道だ、ここでよく休憩してたなとかね。






チャイムを鳴らすといつも「ワンワン」ほえるめいが、ほえない。


お線香のにおいがした。お姉ちゃんとお母さんが丸まって泣いてた。




めいが冷たくなって固まってた。手がぴんと伸びてた。


めいが動かなかった。


いつも「めいちゃん!」っていうとダラダラ笑ってたのに。


「さんぽ」っていうとジャンプしてたのに。かまって攻撃もしない。




でもいつもみたいにただ寝てるだけだと思った。


めいちゃん寝てるの!?起きて!って何回も聞いた。




時間がたつにつれて


プニュてはじく手足の肉厚もどんどんやわらかくなって。


いつも水浸しだった鼻もかわいてきちゃって。




お姉ちゃん言ってたよ。


最初に見つけた時の険しい顔つきが、みんなそろったら穏やかな顔つきになったって。


嬉しかった?もっとおにいちゃん実家帰ってればよかった。




ほんとに死んじゃったんだってわかったら


急に涙がこみあげてきてとまらなくなった。




赤ちゃんの時にチビどうしで一番仲良しだった下のお姉ちゃんが仕事から帰ってきて泣いてるのみて。


冷たくなっためいをみんなが帰ってくるまで抱きしめてた上のお姉ちゃんが泣いてるのをみて。




10年前は犬を飼うことに反対だったけど


ぼくらと同じように本当の子供だと思ってめいを育ててくれたお母さんが泣いてるのをみて。




めいは恋人みたいなもんだって。ずっと怖かった(父親!って感じの人)のに、


めいがきてくれてからなんか優しくなっていちばんめいのことをお世話してくれてた


お父さんが泣いてるのをみて。














めいがどっかに行っちゃった。
















その日はお父さんと献杯した。たくさん飲んだ。みんな泣いてた。


一晩中、めいといたかったから


たぶん上のお姉ちゃんとは小学生の時以来だけど、3人でめいの部屋で寝た。








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