【第2話】10年間で4回半同棲に失敗した【ゴミ男がダメなら綺麗好きと住めばいいじゃない!〜潔癖症との同棲〜】
「ゴミ男がダメなら綺麗好きと住めば万事がまるっと解決する!」
なんと浅はかな考えか。
2回目の同棲:ピカ男前夜 〜教訓編〜
ゴミ男から得た教訓
ゴミ男から夜逃げした後の3年間ほどは、私はおおいに一人暮らしを満喫していた。しかし生粋の依存体質と、加えて、やむにやまれぬやんごとなき事情により、今度もまた、男のところへ転がり込むことになった。
ただ、転がり込む前に、足りない頭を使ってちょっとだけ考えた。
「えっと、あんなにひどいめにあったんだから、こんどはおなじしっぱいをしないようにしよう!」「そうだ、きれいずきだったらだいじょうぶ!」
そうだ、事前にリサーチをしよう
ということで一緒に住みはじめる前に、自宅へリサーチに行った。
☆重要チェック項目
- 部屋全体がゴミ箱になっていないか
- フローリングに歴史を感じさせる地層や化石が存在しないか
- ユニットバスは白いか
- キッチンのシンクで謎の苔植物や微生物を飼育してはいないか
- 卓上に食べ物のミイラは置かれていないか
なんということでしょう。これら全てが完璧なまでにクリアされているではないですか。(挿入BGM:劇的ビフォーアフター)ゴミ屋敷どころか、ピッカピカのペッカペカです。
今にも光輝かんばかりのその部屋はフローリングは素足で歩いてもつるっつる!お風呂とトイレは別々な作りの上に、排水口に髪の毛1つ絡まっておらず!さらに料理を時々すると言う割にはキッチンに全く使用感が無く!もちろん部屋中どこを探してもミイラは発見されず!それどころか良い香りのドライフラワーなんかが飾ってさえある!なんてオシャレなお部屋でしょう!わたし、ここに住む!
誰が当時の私の、新鮮な驚きと感動と喜びを静かに諌め「やめとけ」と止めることができただろうか。部屋が綺麗すぎて無理なんてことは想像だできなかった。
とは言っても、私が掃除を求められたわけではない。掃除をしていたのは全て彼。ピカ男と呼ぶことにする。
ピカ男のピカピカ術
- あるべきものはあるべき場所へ、使い終わった直後へ清く正しく美しく、即刻戻すべし
- 入浴後はそのまま浴槽、風呂の壁、風呂桶、風呂椅子、スポンジなどを含め全ての風呂掃除するべし
- Tシャツ、Yシャツの類は色と形を分別し、お洒落なブティックでお客さんの手に取られるのを今か今かと待つ商品の如く、クローゼットの中に陳列すべし
- トイレットペーパーのストックは1つづつ英字新聞でラッピングし、インテリアの一部としてトイレの隅に飾るべし
- スーパーのレジ袋は匠制作の折り紙の如く、美しく鋭利な角を持つコンパクトな三角形に折りたたみ、常時100個以上ストックを持つべし
-
心の合言葉は「モデルルーム」
無理だった。ピカ男は、元来雑な性格の私とは遠く離れた別世界の、ピカピカの国の住人であった。ピカ男が部屋をピカピカにしていく様を隣で見ているだけで胃がキリキリと傷んで、肩身が狭かった。そしておそらく、ピカ男側の当時の心境は以下のようなものであっただろう。
”ピカ男はイライラした。必ず、かの乱雑適当な女を排除しなければならぬと決意した。ピカ男には「適当」ということがわからぬ。ピカ男は真面目なサラリーマンである。掃除機をかけ、洗濯をし、日々愉快に暮らしてきた。そこへ現れたのがかつて衛生観念が欠損した男と暮らしていたという、雑女であった。ピカ男の平和を乱す悪の雑女。ピカ男は激怒した「呆れた女だ。追い出してしまえ」”
かくして雑女(私)は追い出された。
これまで学んだことまとめ
衛生観念度(私の男性選びのすべての価値観)
ゴミ男<<<|常人の壁|<私<<<|綺麗好きの壁|<<<|異次元の壁|<<ピカ男
「そうだ同じくらいの衛生観念度の人を探そう」と決意する。
そして次回は真面目よりチャラい方がいいとの痛恨の選択ミスの結果ヒモ化、浮気、あげく家財道具を持って夜逃げされることとなった。
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