第6話 パパが女(アリッサ)になったとき LA発LGBTトランスジェンダー家族日記

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第6話 わたしたち夫婦について (1)

さて、今回は1997年にさかのぼり、わたしたちの出会いについて書きたいと思います。

 

 

夫に出会ったのは、アメリカ、オハイオ州での留学時代でした。日本の短大を卒業後、留学資金を貯めるために日本で仕事をしてから渡米したため、当時私は22歳、彼はひとつ年下の21歳でした。 

 

 

アジア人学生が極端に少ない学校だったので、タイ系アメリカ人の彼のことは、なんとなく知っていました。キラキラした大きな瞳が印象的で、かわいらしい男の子。



 

 

学生の間でも「美し過ぎる」と有名なゲイの男の子といつも一緒にいたので「彼もきっとゲイなんだろう」と思い込んでいました。



「キャンパスで愛を見かけて、忘れられなくなった。友達に頼んで愛の連絡先を聞き出した。ぜひ付き合ってほしい」と告白されたときは、うれしさよりも「ゲイじゃなかったんだ」という驚きのほうが強かったように思います。

 

 

 

大雑把な私と違って、繊細でロマンチストな彼は、私のことをとても大切にしてくれました。

 

 


誠実で、包容力があり、忍耐強く、限りなく優しい人。幼い頃から父との関係が良好で、私は父をとても尊敬しているのですが、彼には父を思わせるところがたくさんありました。




日本語を勉強していたので、一生懸命に片言の日本語で話しかけてくれる彼を愛しく思いました。

 

 

タイと中国の血が混じった彼の顔は美しく、彼と一緒に手をつないでキャンパスを歩くのをとても誇らしく思いました。




透き通って大きな茶色の目や、長くびっしりとはえ揃った睫毛にため息をついたことも幾度となくありました。



 

 

私と出会う前、彼は語学研修で日本に1ヶ月ほど滞在したことがあるのですが、当時、ホストファミリーのお母さんやそのお友達のおばさまたちからは「タイのトムクルーズ」と呼ばれ、ちやほやされたそうです。その話を聞いて以来、 友人たちに彼を紹介するときは「タイのトムクルーズです」と付け添えることを忘れませんでした。

 

 

 

 
卒業後、LAで就職し、同棲していた頃。ぽっちゃり気味。
 
 

大学卒業後、私は就職のため、LAに移住。1年先に卒業し、オハイオの会社に就職していた彼とは遠距離で付き合いを続けていましたが、半年後に彼のLA転勤が決まり、1年弱の同棲生活を経て、2000年に結婚しました。
 
 
書類を提出し、ラスベガスのチャペルでふたりだけで式を挙げました。



当時、オハイオ州からタイランドに引き上げて、バンコクに住んでいた義理の両親は、彼にはタイ人の女性との結婚をのぞんでいたので、最後まで私たちふたりの結婚には反対でした。




地味婚でしたが、これから彼とふたりで人生を共に歩めることの喜びで満ちあふれていました。




婚姻届を提出したのは2000年。4年後に家族と親友を招待し、ラスベガスで挙式しました。デジカメのない時代 (あったのかしら)でした。


 
次回はわたしたちの結婚生活について書きます。
 

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第7話 パパが女(アリッサ)になったとき LA発LGBTトランスジェンダー家族日記

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