第15話 パパが女(アリッサ)になったとき LA発LGBTトランスジェンダー家族日記
カミングアウト直後から、中毒のようにメークテクを研究してました。アイメークが上手で、ヨガ仲間から、「メークして」って頼まれたりするんだって。
お約束のひとつ。「服装は常識を考えて」。初期は忠実に守ってた。かわいいお顔。ノーメークのほうがかわいいのに。
今日はカミングアウト直後にアリッサと交わした約束について。
アリッサと話し合いをするの、正直イヤでした。億劫だった。怖かった。でも自分のためにも、娘たちのためにもどうしても確認しておかなければならないことがあったので、自分で自分の背中を押して、話し合いをしました。
約束1
性別適合手術は受けません。
アリッサは、採血されただけで気を失ってしまうくらいの痛がり&怖がり。タイランドで整形外科医をしている父親から、手術の痛み、術後の痛み、副作用、薬を取り続けることのリスクについてしっかり説明を受け、手術は受けないことに決めたそうです。
約束2
性的指向は女性のみ。ボーイフレンドは作りません。
「自分はレズビアンで女性にしか興味がない」。「自分が愛してるのは愛だけなので、他の男性にも女性にも興味はない」とアリッサは言いました。
今でも周囲の人たちから「アリッサにはボーイフレンドがいるの?」とよく聞かれます。「女になったのだから、男が好き」という発想。わたしもカミングアウト直後、同じように考えてました。
アリッサにはボーイフレンドがいません。男性には惹かれないそうです。なぜなら、アリッサはMTF (Male to Female つまり男性から女性になった)トランスジェンダー・レズビアンだから。
ややこしいですね。性的指向とジェンダーについては別のブログで触れたいと思います。
約束3
服装は常識を考えて。家族に迷惑かけません。
わたしはアリッサに「1人で出掛けるときや、友達に会うときは好きなように着飾ってよいから、家族で出掛けるとき、娘たちの学校のイベントのときは中性的な服装でいてほしい」と頼みました。
アリッサはあっさり承諾して、「しゃがむかことが多くて、仕事の邪魔になるから 職場でもスカートははくつもりはない」と約束しました。
約束4
無駄使いしません
買い物依存症だったアリッサ。ブランド大好き。安物は絶対身につけないアリッサ。
服に靴にメークアップにヘアケア、スキンケア、ネイルケアなどなど。「ゼロから女性になるには、莫大なお金を費やす事になるのでは?」と危惧するわたしにアリッサは「だいじょうぶ。最低限の物が揃えば、それで満足だから」といいました。
「約束は破るためにある」と人は言う。あってないような口約束。アリッサはあのときの約束、覚えてるのかしら。覚えてないだろうなあ。
次回はアリッサの職場でのカミングアウト。LBGTに優しい職場環境で働くことができて、アリッサは幸せ者なのです。
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