第20話 パパが女(アリッサ)になったとき LA発LGBTトランスジェンダー家族日記

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第20話 周囲の反応:娘編1

いつも仲良し。日本へ帰省したとき。わたしの両親には知らせてなかったので、このときは中性的な格好してます。
 
 
 

「人間関係ってジグソーパズルみたいだ」と思ってます。

 

複雑で大きなパズルを持ってる人もいれば、シンプルで単純なパズルを持ってる人も。

 

子供ができるとパズルは複雑化して大きくなる。

 

 

 

アリッサのカミングアウトも、もしわたしたちに子供がいなかったら、それほど大ごとにならずに済んだかもしれない。

 

でもわたしたちには望んで授かった美しい娘が2人いる。

子供が育つ過程でアリッサとわたしのパズルはドンドン複雑化して大きくなっていました。

 

 

お互いの両親、親戚、友人、同僚、ご近所さんに加え、娘たち、その友達、ママ友、学校の先生、学校外のアクティビティーで関わる人たち。

 

 

アリッサがカミングアウトした後、美しく均衡を保っていたわたしたちのジグソーバズルがグシャッと崩れたわけです。

 

グチャグチャに崩れた醜いパズル。わたしたちは崩れたパズルを、時間をかけて修復していかないといけない。

 

 

今回から、カミングアウト後の周囲の反応とわたしたちの対応を数回にわけて書いていこうと思います。

 

 

まずは娘たちから。

 

 

日本人のママ友から昔受けた忠告:「ママ友からつまはじきにされるから、人前で自分の子供を自慢話しちゃダメ」。

 

 

嫌われてもつまはじきにされてもよい。わたしは娘たちを誇りに思っているので、みなに胸を張って子供自慢。

 

わたしたちの娘たちはいい子です。

 

カミングアウトの後にさらに強く感じてます。強くてとてもいい子です。

 

 

さてさて、娘たちの反応

初期:アリッサのカミングアウトを喜び、応援、サポート

中期:反発、拒否、怒り、喪失感 

現在:あきらめ、受け入れ、仲直り、仲良し

 

まずはカミングアウト直後(初期)。娘たちはアリッサのカミングアウトを母親のわたしが驚くほど、素直に受け入れました。 父親の決意を祝福し、応援しました。

 

「子供は順応性があるから」という人がいるかもしれません。

 

でもわたしは、カミングアウト以前の父親との関係が鍵だと思っています。

 

アリッサは包容力があり、忍耐強く、優しい父親でした。娘たちと一緒にたくさん遊び、たくさん本を読み聞かせ、娘たちの話にいつまでも耳を傾けいた。学校行事には、仕事を休んででも必ず参加していた。娘たちは父親が大好きでした。

 

以前のブログでも触れましたが、パートナーがトランスジェンダーだという事実を聞かさたのは娘たちからでした。

 

そのときのわたしのパニックぶりに娘たちはびっくり仰天したようです。

 

「ダディーが女の人になることのどこがいけないの?」といった感じに。

 

アリッサはカミングアウトの後、メークアップのスキル、髪の毛のアレンジ、女性らしいファッションを必死で勉強していました。娘たちは、 父親が変化していく過程を一緒に楽しんで、アイメークに、三つ編みに、朝の服選びにと、率先して、アリッサを手伝っていました。

 

 

その頃、わたしはよく家族に隠れて、トイレや寝室でよく泣いてました。バレないようこっそり泣いてたのに、娘たちに見つかってしまうこともしばしば。

 

 

泣く母親の姿に混乱する娘たち。

 

「ダディーのこと、どうして一緒によろこんであげられないのだろう?」

 

「マミーは何をそんなに悲しんでいるのだろう」。

 

そのとき、娘たちは「大好きなダディー」が少しずつ姿を消して、しまいにはいなくなってしまうことに気付いていなかったのです。

 

 

父親をサポートし、応援していた娘たちですが、父親の変化に気付いた 友達の反応を敏感に感じ取ってからは、アリッサに対する態度が変化していきます。

 

 

子供は無邪気で残酷。疑問に思ったら相手の気持は考えずにストレートに質問をぶつけてくる。

 

 

明日は娘たちの気持ちの変化(中期:反発、拒否、怒り、喪失感) 

について書きます。

 

 
 
 
 
 
難しい時期を乗り越えて取り敢えず今はイイ感じ。
長女はアート、次女は料理が好きで、アリッサはビーガンなので、将来は家族で「ビーガン・アートカフェ」をしたいんだって。
あなたたちはいい子だから、きっと夢は叶うよ。

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