家族の崩壊 8 「夫婦喧嘩を見るのがとても嫌だった」

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五才の頃から幼稚園に通ったが、幼稚園時代で既に友達はいなかった。 
幼稚園時代の出来事はあまり記憶がない。 
でも既に、周りの子に嫌がらせをしていたのだろう…。 

そして二年後、小学校に通い出すが、同じく友達は出来なかった。 
単発的に誰かと遊んだ事はあったが、一回きりというのがほとんどだった。 

家庭では、親父と母が毎日のようにいがみあっていた。 
家は多額の借金を抱えていた。金額は知る由もないが母がそう言ってたし、実際おやつなんて物は出された事もなかったから本当なのだろう…。 

そして親父は母を殴りつけていた。 
俺も止めに入ったが怒鳴りつけられた…。 
夫婦喧嘩を見るのがとても苦痛だった。 

『やめてよ!やめてよ!』
と言っていた。どうしていいのか、早く終わってくれ! と祈るような気持ちだった。 
最後に親父がありったけの皿を割って喧嘩は終わる…。 

こんな事がしょっちゅうあった。 
意識はないが、俺の人格形成において、この頻繁に起こる夫婦喧嘩は、影響を与えてると思う。 

そしてクラスメイトに対する俺の嫌がらせは、本格化したようだ。
たくさんあり過ぎて細かくは覚えてないのだが、小学校二年生の頃の通知表のコメント欄には、担任の先生からこんな事が書いてあった。 

【絵や作文にキラッとしたものを見せる◯◯くん。三学期になって、やっと『これどうやるの?』などと聞いてくるようになりましたね。春休みに入るのが残念ですが、猫の時に見せた優しさを忘れずに、他の子にちょっかいを出すのはやめましょう】 


「猫の時に…」とは、二年生のある日、通学途中に、目やにだらけの野良猫を拾ったのだ。
家では飼ってもらえないと思った俺は、担任の先生に頼んで野良猫を学校で飼わせてくれと頼んだ(と、思う。頼んだ記憶は抜けている) 
そして担任の女の先生は、何日か猫を教室内で飼わせてくれた。 

俺は給食の残りを猫に与えた。 
教室の黒板の脇にあるテレビの下に段ボール箱を置き、そこに猫をいれていた。 
クラスメイトがたくさん、猫のもとに来てくれた事を思い出す。 

だが猫はしばらくして、やっぱり学校では飼えないって事になった。この猫をどうしたのか記憶にない。 
俺がもとに戻した記憶はないから、学校側で処分してしまったのだろうか…。 

そして相変わらず俺はクラスメイトにちょっかいを出していた。 
俺は益々嫌われ者になっていった。 

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家族の崩壊 9 「初めて見た蒼白き蛍の群れ」

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