アホの力 3-4.アホ、不思議なテンションになる

前話: アホの力 3-3.アホ、開く
次話: アホの力 3-5.アホ、へこむ
思いつきと勢いで『やる』と宣言した場が、ついにスタートした。

その名も『みんな未来センター』

略して『みみセン』

さてこれからどうする…この時点で、『あんな事やりたい』『こんな事やってくれ』という話が既にたくさん集まっている。

実は、みみセンがオープンする直前のゴールデンウィーク期間中、子供の遊び場『みんな共和国』が開催されていた。
期間は4月28日から5月6日までの9日間。ここでは、前回も参加してくれていた地元の高校生が主体的に関わってくれて、イベント全体の運営を担ってくれていた。
みんな共和国のメンバーに、高校生も加わったのだ。もともとあまり高校生がたむろする場所の無いこの街である。となれば、放課後の高校生のたまり場も必要な訳だ。
みみセンは、高校生のたまり場という役割も担う事になる。健全な場づくりをしなければ。
とはいえ、そもそもこの場を仕切る軍曹こと私は、見栄えのしないおっさんである。しかも結構なコワモテ。こんな輩がいる時点で、既に怪しさ満点な場に見えた事だろう。
事実、そういった噂は頻繁に耳に入ってきた。

『夜遅くまで何やってんだあそこは』

『怪しいやつがたむろしてる』

『どっかの危ない宗教団体なんじゃないか』

といった具合だ。

 

こりゃまずい…。

先ずはみみセンが安心安全な場である事を、ちゃんと発信しなければ。
みみセンの活動は、ある街の顔役的な人が応援してくれていた。その人にアドバイスを仰ぐ。『この噂どうすりゃ良いかな』と。
そこで頂いたアドバイスは『あんたがきちんと街の人達に挨拶して廻りなさい』というものだった。

ご尤もだ。一番大事な事かも知れない。
そこで、色々なところに挨拶回りに出た。みみセンのある地区の商店会長さん、そして商店会長さんに聞いた地域のキーマン、街にある色々な団体のリーダーさん、街の行政区長(自治会長)さん等々。
そして、毎朝みみセンの前の県道の歩道を掃き掃除しながら、通行人に『おはようございます』と声をかけた。
こういった活動は、かなり効果をもたらした。地元商店会とつながりが出来たし、大勢の街の重鎮と知り合いになれた。道で挨拶をしてくれる人も凄く増えたし。
市民を対象としたワークショップも開催した。『好きまちワークショップ』『NPOってなんだろう』『facebook活用講座』等々。

『元気会議』と称したミーティング(『みんな共和国』のミーティングや知り合いの団体のミーティング)も行った。

街の内外からのゲストも大勢迎えた。特に街の外から訪れる人にとって、みみセンは訪れるランドマークになっており、毎日様々な人がやって来た。一方、震災に被災した街の人の中には、ツラい心打ちを吐き出したいとみみセンを訪れる人もいて、そうした人の傾聴の場にもなっていた。

 

とにかく様々な事が、看板を掲げた事で私のもとに降ってきた。

先にも書いたが、私には何をするにもそのスキルが無い。そんなところにやってくる大量の案件。
オープンひと月で、私は完全なキャパオーバーになっていた。
キャパシティーを上げるために研修や、出張にも行った。
とにかくこの時期、休む間も寝る間もなく働いた。本当に大変だったけど、不思議と『ツラい』とは感じなかった。何故だろう。あの頃は『何でも出来る』という不思議な感覚に満ちていたような気がする。
きっと、それまでの人生では経験しなかった貴重な学びが、そのような心境を創ったのだろう。
 

不思議なもんだ。

続きのストーリーはこちら!

アホの力 3-5.アホ、へこむ

著者の戸田 光司さんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。