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アホの力 4-13.アホ、学ぶ

Image by Olia Gozha

勝手に『折り紙教室』を開催し、入院生活に新たな楽しさを見出し、退院後の生き方の手応えのようなモノを感じ取った私。

この日以後、私の入院している病棟の各病室の入口に、折紙の『あやめ』が飾られるようになった。ナースステーションのカウンターには、折紙の花束が置かれた。

それを見て、密かにほくそ笑む私なのだった。


談話室に集まる入院患者の雰囲気も、少し変わったように見えた。それまで暗そうな顔をしてた患者達に、『おはよう!』『こんにちは!』『今日はいい天気だね!』と声をかけてもらえるようになった。

なんとも嬉しい変化だ!


そして思った。

『どんなに暗い顔をした人も、やっぱり楽しみたいんだ。人とつながりたいんだ』

と。

こうした自然な明るさは、『前向きになろう』『プラス思考を心がけよう』という気持ちからは生まれるモノでは無い。

ニュートラルな視点で先に目指せるモノが見えたり、楽しく取り組めるモノを見つけたりすれば、人は自然と前向きになるのだ。

そうしたモノを見つけるには、抱えてしまったマイナスのエネルギーもちゃんと認めて、吐き出す必要もある。それをちゃんと受け止める人がいれば、人の気持ちは自然とプラスを向くのだ。


そんな事を、この折紙教室から学ぶ事が出来た。


私は毎日、自分の病室の前の廊下で、スクワットをしたり作業療法の自主トレをしたりしていたのだが、その日以来『私もやってみようかしら』と自主リハビリをする人が増えた。


こうした出来事は、私にも大きな学びを与えてくれた。

『入院中でも、実学で学ぶ事は出来るモンだな』

そんな事を思ったのだった。

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