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アホの力 4-14.アホ、羨ましがられる

Image by Olia Gozha

入院中であっても、学ぶ事、出来る事があると知り、私自身の退院後の生き方のヒントも得られた私だったが、そんな入院生活の様子をSNSを使って発信していた。それを見た方々がコメントを返してくれるのだが、『前向きな感じが良いですね』というコメントが多く寄せられた。


先にも書いた通り、私自身は前向きを意識して過ごしているわけでは無い。ありのままを受け入れ、そこで見えた選択肢のうち、自分が楽しく快適に過ごせる選択肢を選んでいただけだ。

それが結果的に、意識しなくても前向きになるという事になるのだろうな…そんな事を思っていた。


さて、入院直後に見舞客が大勢来たという話は、以前にアホの力 4-5.アホ、見舞われるで書いた。

実はこの見舞客ラッシュは、入院から5ヶ月経った頃もまだ続いていた。さすがに毎日見舞客が来る事は無くなったが、週末はほぼ間違いなく、平日もたまに見舞いに来てくれる人がいた。

南相馬の近況を知らせてくれたり、『こんな事をしようと思ってるんだ』と話してくれたり、ワイワイ騒ぎに来てくれたり。こうした人たちに、とても励まされ、助けてもらっていた。



そんな中、ある見舞客にこんな事を言われた。


『なんだ、ホントに楽しそうに入院してるんだな。』


どうもその人、私のSNSの発信を見て『頑張って前向きを演出しているんだろう』と思っていたらしい。

どうやらそう思っている人は、その人だけでは無いようだった。

そういう風に思っていた人達は、実際に楽しそうに入院し、リハビリをしている私を見て、かなり驚いていたようだ。

 


けど、私が甲斐を見つけて楽しく入院生活を送っていた事は事実だ。


見舞ってもらった私が、逆に見舞ってくれた人の悩みの傾聴をした事もあるくらいだった。


私のそんな様子を見て『羨ましい』という人までいた。

『俺も入院したいよ』みたいな事を言う人まで。

病気で片輪者の私が羨ましい?何で羨ましいんだ?あなたは健康で、シャバにいて、何でも出来るじゃないか。

そんな風にも思ったが、すぐに思い直した。

人間誰しも『自分は頑張ってるんだ』『自分は大変なんだ』と認めて欲しいものなのだ。

それを誰かが認めてあげないと、心の拠り所が無いのだ。

それに『隣の芝生は青く見える』のだ。

患者同士でも『あんたより自分の方が病状が重い』というような発言はよく為される。

これは仕方のない事なのだろうな。


 


羨ましがられるくらいの方が、良いのかも知れないと思うようになっていたのであった。

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