プロフィール第二回

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小学校に入学した私ですが、誰一人として友達は出来ませんでした。そもそも友達という概念はなく、一人で寂しいとか、ぼっちが恥ずかしいとか思ったりもしません。休み時間もずっと一人で教室にいました。
私としては一人が普通だったし何の問題もなかったのですが、どうやら母が心配して先生方に「この子は交流が苦手なので」と根回ししていたようです。教頭先生がたまに話しかけに来てくれました。
それでも馴染めず、やがて保健室登校になったのです。わたし専用の棚を作ってもらい、そこにラクガキ帳や筆記用具を置きました。ラクガキ帳は数日で書き終わってしまうくらい、絵を描いていました。
私は小児喘息を患っており、頻繁に入退院を繰り返していました。病室でも絵を描くことだけが楽しみだったので、いつも利き手には点滴をしないよう頼んでいましたね。しかし、退院してからだんだんと学校へ行かなくなり、いよいよ不登校になります。
そんな私ですが小学5年生くらいの歳から、母親の根回しの甲斐もあって、徐々に人と話したり出来るようになっていきます。
学校の授業にも出席するようになっていました。いろいろな作品世界に触れられて面白かった「国語」がお気に入りで、作文を書いたりすることも好きでした。
それと、お絵描き好きがこうじて漫画を集めるようになりました。毎日のように本屋さんに通い発売日をチェックするくらい漫画にどハマり。
その頃、パソコンが我が家にやってきました。よくわからないまま触っていたら、インターネットにも繋いでもらって、夜な夜な2チャンネルにアクセスしたり、好きな漫画家さんのホームページにコメント書き込んだり、自分のホームページをつくったり、だらだら遊んでいました。
私はコミュ障のままだったけど、なんとか小学校を卒業し、中学生になれました。
とりあえず私は親しくなった同級生と同じ部活に入ろうとしました。バドミントン部でした。しかし私は運動が大の苦手。体験入部してみたものの、体育館2周走るウォーミングアップだけで疲れて嫌になり、入部を断念しました。
いずれかの部活に入ることは強制だったので文科系の部活を探していたら、吹奏楽部のポスターが目にとまります。これなら運動しないし出来るのではないか?と、よこしまな勘違いから入部を決めちゃいました。
入部した吹奏楽部は弱小で、先輩は一人しかおらず、しかもほとんど参加しないありさま。部員は女子5人と男子1人だけ。何人かは同じ小学校出身で顔見知りのようだけど、私だけ違う小学校出身だったので全員と初対面。私の担当楽器はホルンになりました。
部員のみんなとはあまり親しくもなかったのですが、サックス担当の子とは仲良くなれました。よく声をかけてくれて、嬉しかった。
ところが部活内は、女子特有のいざこざがたくさんありました。きっかけは些細なこと。揉めて一人、また一人と辞めていき、少なかった部員が更に減っていきます。ついには仲良くしてくれた子さえも、揉めて辞めることになってしまって、すごく残念に思いました。いよいよ私に揉め事の刃が向いてしまったのです。
そもそもサックスの子以外の女子は、悪口が大好きで先生に対しても文句が多かったのです。だからずっと部活に馴染めませんでした。私がハブられたきっかけは「顧問の先生がカンナをえこひいきしている」というもの。放課後に部室に行っても無視されたり、私の一挙一動にコソコソ言われるようになりました。
もしかすると他に理由があったのかもしれません。ホルンの演奏が下手とか、コミュ障なところとか。でも「文句ばっかり言ってる生徒より、何も言わない生徒のほうが丁寧に接するだろ」と思うんですよ。とはいえ、味方のいない部室に行く足取りは重く、とても辛く悲しい気持ちで過ごしました。
この部活にいるとイジメが永遠に続くのではないかと思い悩み、ついに母へ相談しました。すぐさま学校へ電話をしてくれて、顧問の先生と話すことになります。先生は「ひいきなんかしてないよ。ホルンの才能があるのに残念」と電話口で言っていたが、そんなの関係ないのですぐ退部しました。
明日からの放課後、あのジメジメした部活に行かなくていいんだ。そう思うと、悔しさもあったけど、晴れ晴れと明るい気持ちになりました。
この吹奏楽部での体験は、今でも印象に残っています。「なんで私が??」と、不条理を感じました。そしてそのとき、心に誓ったことを今でも覚えています。「絶対にあの子たちより美人になって、幸せになってやる!!」と。母がよく「あいつ不細工のくせに」と言っていたので、無意識に美人の地位が高いと思い込んでいたのかもしれません。とにかく復讐心に燃えたことだけをハッキリ覚えています。あの出来事がハートの奥底に火をつけたのでした。
ちなみにその吹奏楽部は、私が抜けたあとも揉め続け、とうとう部員一人になってしまいました。

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プロフィール第三回

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