ガソリンスタンド経営者だった夫がガンを患って木工作家になっちゃったお話その8

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■作業場をつくる
木工を仕事にするにあたり、まず必要なのが作業場。そして工具類、材料。
いきなり独立するということは、それらを全て揃えてからスタートするということ。
作品を作って販売するなんて、ずっと先のことでした。
夫はもともと芸術家気質。
のめり込んだらとことん。
誰かと一緒になにかをするより、1人で行うことのほうが向いています。
ガソリンスタンド時代に社員との関係で疲弊したこともあり、人を雇わず自分のペースで木工をしていくつもりでいました。
ガンの再発の危険性もある身。
作業場の新築から始めることは、資金面も含めてハイリスクと考えて避けました。
まずは木工を始められる環境があればいい。
ガソリンスタンド経営時代に、危険物倉庫として使っていた築50年近くの古い倉庫を作業場に使うことにしました。
危険物を保管するため窓もなく、ドラム缶に入れた油が万が一漏れ出したときに備えて傾斜のついた床。
ブロックで四方を囲まれたスレート屋根。お世辞にも立派ではない、雨風が凌げる程度の建物。
夫は訓練校の休みや下校後の時間を利用してこの倉庫へ出向き、室内にあったブロック壁を倒して空間を広げ、倒したブロックを細かく砕いて床に敷き、レベルを水平にとってモルタルで固めていきました。
業者を入れず、そのほとんどを夫1人で行い、作業場を整えていきました。
床が完成すると、わたしも手伝って壁を白く塗り、窓をつける穴を開けました。
窓は、解体した親戚の家から使わなくなったものをもらってきて取り付けました。
手作りの作業場は少しずつ少しずつ形になっていきました。

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