節電率90%の世界へようこそ 1.2.1 機能バブル 無駄創出 (2)

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本題に戻りますが、使用もしない機能、使うことが難しい機能を持った商品は金銭的な無駄、生産時の資源やエネルギーの無駄使い、そして最終的にはゴミとなるような機能は無駄以外の何物でもない、と思います。消費者が無駄とわかっているから値引きを要求するし、販売者はそれにも応えなければいけません。使いもしない機能や無駄が見ぬけられるような製品やサービスは値引き対象になるのです。

現在身の回りにある電気器具を見回して使用していない機能、無駄を数えて見てください。機能を一度も使わずに廃棄処分した製品は多いはずです。いかに無駄に対して出費させられたかがわかります。ただ、この無駄の責任は消費者側にもあることを忘れてはいけません。使いもしない多くの機能やサービスを説明された消費者が割り得感を感じて、メーカーや販売者の言うなりになるからです。

毎年年末近くなりますとその年のヒット商品を日本経済新聞社がまとめ「○○年ヒット商品番付」を発表します。2002年の場合は東の横綱として「丸ビル」、西の横綱として「カメラ付き携帯電話」がランキングされ、街区のブランド化、コミュニケーション手段の革新といったものが、時代のトレンドとして映し出されています。

 同番付商品を眺めると、消費の2極化がうかがえます。「讃岐うどん」、「180円スニーカー」、「マーチとイスト(小型自動車)」などは、割安感、価格訴求力でヒットしました。一方、「PDP(プラズマ・ディスプレー・パネル)テレビ」、「トップオープンドラム(ドアが上から開くドラム式洗濯乾燥機)」、「健康エコナマヨネーズタイプ」などは、価格はやや高目ながら、機能、安全、健康といった面で十分納得できるものがあればヒット商品となっています。

 2002年は不況が叫ばれ、デフレ傾向や消費の低迷が続いた一年でしたが、ヒット商品から浮かび上がる消費傾向は、品質と価格に対する評価とともに、ちょっぴり贅沢なものであっても、その付加価値に十分納得すれば購入するという前向きなものがうかがえます。つまり、不景気であっても消費者ニーズをしっかり捉えた商品は売れているのです。

 新製品開発の原点は、消費者の生活行動や態度の中から、消費者が欲しているものを見つけ出す力であり、そこに知恵とアイデアを働かすことです。言うことは易しいのですが・・・・・。


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