発見や発明 2.4.2 謙 虚

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 発明や発見、発想豊かな力は生まれつきの才能なのか、努力すれば身につくものなのでしょうか。おそらく努力というか、心がけ次第という部分も相当な比重を占めると私は思います。先に記述したように否定することも時には必要であるが、謙虚な考え方というか、謙虚な態度も必要なのかもしれません。

 すべてを知っていると思っている人、他人を見下す人、お金が有り余っている人、努力の過程を評価しない人などは発明や発見、豊かな発想力には乏しくなるのかもしれません。

 たとえば、海外へ出かけても強い円、日本の技術力、自分の輝かしい経歴、会社の規模などを鼻にかけるような人たちには現地でしか味わえないような喜び、発明や発見は少ないのではないでしょうか。

私は2001年3月にジェトロ主催のフィリピン投資環境調査ミッションに参加する機会を得て関西空港を飛び立ちました。参加メンバーはIT、自動車部品、電子電気関連の3グループ、総勢56名で数名の大企業勤務者を除き、ほとんどが中小企業経営者で構成されていました。

このミッションが実施された経緯は、日系の大企業は進出済みだが、下請けなどを担うすそ野産業の育成を推進したいフィリピン政府の要請にJETROが応えて派遣した、ということです。要請を受けて派遣した、頼まれたから行ってやるんだ、という気持ちのある人がいたとすれば、それは謙虚さが不足していたと言わざる得ません。

さて、このミッションに参加した後の私の感想ですが、

1.治安問題については現地の訪問企業のほとんどすべてが治安に問題はないと回答し、彼らは次のように続けました。今までマスコミが報じた事件報道内容は正確に原因を報じておらず、進出者()自身が責任ある正しい行動をとることで、不必要な事件は防げるとのことでした。彼らの言いたいことは事件の本当の原因は進出者(社)自身にあり、現地の人を見下したり、不適当な扱いをしたということを言外に述べているのです。海外では進出者(社)はマイナーで仕事をさせてもらっているくらいの謙虚な考え態度が必要用でしょう。

2.労働力については英語を話せる優秀な理系の労働者が豊富で人件費は日本の約10分の一です。したがって、現在はアセンブリー主体、3K主体の労働内容のようですが、数年の内には研究開発を含む内容に変質するでしょう。(これは中国でも同じでしょう。)コンピュータなどの扱い、利用は日本人よりはるかに優れているし、若年女性の器用さ、仕事熱心さも日本人よりは上です。日本人としての誇りを持つことは大切ですがいつまでもアジア諸国の人々、進出先の人々よりも優れているなどと考えるのは間違った優越感で、謙虚さが不足しています。

3.言葉の障壁への対処ですが、郷に入っては郷に従う、のが本筋です。しかし、現地の人たちに日本語教育をしようという主客転倒の考え方、植民地政策時代の感覚の経営者もいるようです。日本人が英語力を習得し、彼らのほとんどが話す英語で仕事をすることで言葉の問題は解決できるとのことです。少人数の方(日本人)が大多数の方(現地の人)の言語を習得するのが基本です。

4.転職の問題ですが、これはマネジメントの問題です。マネジメントがまずい日系企業は社員の流出があるとのことです。原因はジョブホッピングをする労働者側よりむしろ使用者側にある問題なのに責任を転嫁しているようです。謙虚とは言えません。

5.投資優遇措置についてですが、撤退企業があまりない(マニラ日本人商工会議所)事実を考えれば優遇措置は他国に劣らないと判断すべきでしょう。投資優遇措置が少ないと文句を言うのは過度な要求ではないだろうか。

以上のような感想をもった今回のフィリピン投資環境調査ミッションでしたが、このジェトロミッション参加の経緯は次の通りです。

ジェトロ主催のフィリピン投資環境調査ミッション派遣情報を私がメールリンクで受信した後、メールで私の住んでいる尾道を中心とした知人に参加を呼びかけ、3社4名が参加することになりました。最終的に3社、4名(尾道のK社、岡山県のT社、およびKEC(現在は釜本事務所))となりました。限定されたこの地方地域から全体の10%近い率を占めたことは将来的にまた地球規模感覚的に明るい兆しだと思います。アロヨ大統領、ラモス元大統領が2回のレセプションに出席されたように、フィリピンの視線には熱いものがあることは参加者全員が感じ取ったと思います。私は今後もできるかぎり日本とフィリピンの間のビジネス支援作業を継続してゆきたいと思っています。そのためにもいかにもフィリピン的なお祭り行事(?)の大統領の交代という政治不安定は早く解消した方が良いと私は思います。でも、彼らはそれを楽しんでいるようにも感じられます。

スペインのマドリードで開催されたCOP25は2019年12月15日に閉幕しましたが、以下は京都で開催された京都議定書締約国会合(CMP)の前に報道された節電虫に関する記事です。


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発見や発明 2.4.3 感 謝

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