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沖縄の高校生の学力って誤解されているような気がする(4)

Image by Olia Gozha

4、ここ10年で、沖縄の高校生の学力は向上している。 

 (1)に記した通り、大学入試センター試験の県別平均でみると、2010年に44位だった沖縄県は、2019年には22位まで上昇しています。

 伝統校である首里高校、那覇高校に加え、私立高校2校+通称4K(開邦高校、向陽高校、球陽高校、那覇国際高校)と言われる進学校が中心となって、学力・進学率の向上を目指しています。

 私立は医学部進学を推進し、公立は難関国公立・私大を目指すという感じです。

 そして、これらの高校には「寮」が設置されており、那覇周辺の生徒だけでなく、離島も含めた県全体から優秀な中学生を集めること、通学することを可能にしています。

 また、沖縄北部の中心にある名護高校は普通科に加え、進学に特化したコース(フロンティア科)を設置しました。こういった試みは沖縄県中部・北部の高校に多く、1クラスを事実上の「進学コース」にして、大学進学のための学力向上を進めています。こうした高校には、那覇市内の進学校での経験を経て異動してくる先生もいます。そして、こうした高校では、早朝講座を設定し、朝7:30頃から1コマを受験補習にあてています。

 このような取り組みは、若干昭和の香りがしますが(笑)、それでも、大学進学を希望する高校生の学力向上には成果をあげていると言えます。

 

 以下は、個人の考えですが・・・

 学校外で学習支援というと、一般的には、学力が低く、経済的・家庭的な困難を抱えている子供たちがくるというイメージがあると思います。もちろんそれはあたっています。

 ただ、学校外で勉強する高校生の多くは、「安心して勉強に打ち込む環境」を求めてやってきます。

 それは、「勉強していること」「努力していること」「大学進学を希望していること」で、自分の存在を否定される、いじめられる、馬鹿にされる環境にある子供がいるということです。

 ですから、高校が大学進学を目的と表明することは、進学希望者にとって、安心して学ぶことができる、自己開示できる「アジール(避難場所)」に感じられるようです。

2019年度、沖縄県の大学進学率は40%を超えました。ということは、進学希望者はもっといると言えるでしょう(ある調査によると、中学・高校段階での大学進学希望者は約65%とも言われています)。そういう子供たちが、大学進学できなかったのは、学力だけではない…。本人の責任ではない要素があるのではないかと思います。

 

と述べると、沖縄だから・・・と続きそうになります。

しかし、勉強すること、努力すること、成績が良いこと…が抑圧となる、同調圧力に負けるのは、沖縄だけの現象ではないと思います。日本全国、どこにでもあることではないでしょうか。 

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