沖縄の高校生の学力って誤解されているような気がする(10)
10、現実と理想のはざまで・・・
確かに…出身大学というのは大切です。某大企業が、新卒採用で「出身大学を記載せずに採用試験を実施」したところ、合格者は結局、旧帝大と早慶上智ICUばっかりだった・・・というオチがあります。
実際に旧帝大・早慶上智ICUの出身者に話を伺うと、出身大学と個々の能力とは別なものである・・と言います。しかし、現実には、そういう大学の出身者であることで、一定のポストに就く確率は高くなる、助けられている、評価されていることは否定できないと謙虚に言います。
年収の高い男性と結婚したいという女性の一般論があります。
それは「稼ぐ能力の高さ」への敬意・愛でもあります。同様に、偏差値の高さには、それに見合う能力・努力が伴っているという評価でもあると思います。「学歴を書かない採用試験」のオチは、実はそんなところにあるのかもしれません。そういう現実に対応できる学力を目指すことは、とても大切です。
ただ、その価値観だけで良いのかというと・・・です。
沖縄県庁新卒内定者から、内定辞退者が増えているそうです。
東京大学を卒業して、小さなNPO法人に入る学生もいます。
人も羨む大企業から、地域の仕事にやりがいを求めて転職する人もいます。
もちろん、そういう人はまだまだ少数派です。しかし、以前は「ありえなかったこと」が、若い人を中心に起きていることは現実です。つまり、そういう新しいキャリアが生まれつつあり、そこに適性のある人もいるということですね。
パラレルワーク、ノマドワーク、フレックス勤務…そういう新しい形態が、新しい職業では当たり前となりつつあります。それは、今までの価値観では評価されなかった能力が求められていると言えるでしょう。
そして、こうした方向性に適性がある若い人が多いのが、沖縄なのではないかと感じるのです。
ちなみに、沖縄にはそういう企業が結構多いです。IT系ですね。
ITやインターネットを通じて稼ぐ、そういう能力を高めることが、沖縄の課題解決や未来の方向性を導くと言われています。
まず、ネットを通じて稼ぐことには「中間搾取」がない。
地域、年長者などに拘束されないので、自由に、創造的に、新しいことに挑戦ができる。
PCがあれば成立する仕事なので、距離などの地理的問題が生じない。
沖縄は「芸能の濃い土地柄」でもあり、アート、クリエイト、自然など、人々の才能や地域資源などが豊富であり、ネットとの親和性が高い。
実際、そういう方向性で動いている人々も増えてきました。
小中学生が、プログラミングコンテストで全国入賞することも増えてきました。
これも「学力」だと思うのですが・・・勉強のじゃまという価値観を持つ人も多いです。
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