沖縄の高校生の学力って誤解されているような気がする(11)
11、そして、偏差値以外の学力は、がっちり否定される
それは仕方ないですよね。大学受験指導をメインとする学習支援なので、やはり「結果」が重要です。そのためには、「知識×思考×記憶」が全てです。
ただ、一つ心配なことがありました。
学習のモチベーションが、今一つ上がらない高校生が目に付くのです。それは成績上位にも下位にもいます。そして「沖縄の高校生はやる気がない、欲がない、逃避傾向が強い、楽に流れる」と言う言説が流れます。その最後には「もっと上を目指せるのに」という言葉が付くのですが・・・。
これを「南国だから」「沖縄だから」で括って良いのでしょうか。
高校生としゃべってみると、そこにあるのは「不透明な自分の未来」なんですね。
つまり、「安定している」「資格職業なので食いっぱぐれがない」など、「大人が勧めるもの(大人の価値観)」を根拠に、非主体的・依存的に自己の大学進学を考えた高校生は、壁や山があった時に、それを乗り越えることが難しいのです。なぜなら、そこに自分の選択、自分の希望がないからですね。あるのは、大人への忖度です。
なにより「安定・資格・大人の勧め」を根拠とする大学受験から「学ぶことの楽しさ」を見出すことは難しいと思います。そして、受験は「結果・合否」だけを求めるものとなります。結果だけを求めるための時間の苦しさは、大人だって耐えることは難しです。そういう中から「入れる大学」に流れていくわけで、こうした高校生を責めることができません。むしろ、進路指導・キャリア形成のデザインを変えることが必要でしょう。
しかし、そういう方向には進みません。「入れる大学を求める高校生」は、沖縄のダメな高校生の典型として攻撃されます。そして、そういう高校生の本音を探り出そうと対話する私も、一斉総攻撃に会うのでした。
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