沖縄の高校生の学力って誤解されいるような気がする(15)

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15、地方の進学支援で気をつけること

 

 一般論として、大学受験は「3つの選択肢」と言われるものがあります。

 「挑戦校」~「志望校」~「滑り止め」ですね。

 

 国公立の場合は、センターの結果を見て、出願大学を決めることができます。

 また、センターでの失敗を想定し、私大の滑り止めを出願します。

 これが、地方では難しいのです。

 

 まず、国公立しか受験しない高校生が多い。

 沖縄の場合、私大の数が限られるため、滑り止めとして機能しなかったり、希望の学部学科がなかったりする。

 オープンキャンパス参加と気軽に言うが、そのために飛行機・宿などの経費を考えると・・・

 県外受験と気軽に言うが、そのための移動・宿泊経費用が・・・

 

 というわけで、受験指導する側としては、実はすごく追い詰められる事実があります。

 それは「第一志望がダメなら滑り止め」がないってことです。

「何が何でも第一志望に合格するだけの学力をつけること」が至上命題なんです。

背水の陣ですね。

  そしてもう一つ、これがこれから沖縄だけでなく、全国で必要なことだと思うのですが・・・

 「大学受験の結果に左右されない、人生のデザインを構築すること」です。


 

 将来から逆算して志望大学・学部学科を考える手法が一般的です。

 その中で、より偏差値の高い所を選択するのは、要するに「最短距離」「確実性」を求めているということなのでしょう。

 ただ、人生、そんなにうまくいかないのは、大人が一番わかっているはずです。

 だから、子供たちに最短距離を求めてしまうのかもしれません。ただ、最短距離というレールから外れた時、大人はそれを支えることできません。

 

 職業からの逆算ではなく、自分のできること・やりたいこと・やるべきことを明確にしつつ、自分のキャリアを考えてゆく手法が、最近になってやっと出てきました。これだと、受験結果が思うようなものでなかったとしても、若干回り道をすることになる、本意ではないことが多くなるかもしれませんが、そこには事前に想定しえなかった学びや出会いがあり、それを自己の財産として生きることが可能になると思います。

 

 私は、情報や経済的な面でハンディがある地方ほど、大学受験の結果で左右されにくいキャリア形成のアドバイスが必要ではないかと感じます。もちろん、これを言い訳に「学力向上」から逃げるわけでも、「向上心」を捨てているわけでもありません。

 ただ、夢の第一志望大学に合格してもいつの間にかドロップアウトしてしまう受験生も見てきました。

 そういう大学生活にならないためにも、人生のデザイン、自己のキャリア形成を考えておくことが、とても重要だと感じます。そして、これは、沖縄だけでなく、地方ならどこでも、そして都会でも同様ではないかと思うのです。

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