沖縄の高校生の学力って誤解されているような気がする(16)

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16、学力下位の地域は、どんな取り組みで学力向上を果たしたか?

  ①大学受験のための補習の実施(0時間目、或いは放課後、長期休業中など)

 ②宿題(特に学校5日制になってから、通称「週末課題」と言われるもの)

 ③進路指導の充実(特に、模試分析、センター分析から、個々の生徒の伸びしろや出願校指導まで)

 

 地方の名門校(特に公立学校)では、「受験勉強なんてのは自分でやるもの。学校の授業で受験対策はしない。それでも十分大学に合格するだけの授業内容である!」という伝統的な発想がありました。

 一方、予備校や塾がない地方では、学校が「0時間目を設定し、予備校的な機能を果たしていました。中には浪人した生徒のために「4年生の教室」を設定していたところもあります。

 前者は東日本、後者は西日本に多いですね。

 

 この取り組みの効果についてですが、いろいろ検証してみると「あった」と言えるところもあります。

 例えば、東北地方では「宮城県」が、センター平均点40位台から20位台に上昇しています。(ただし、同様の取り組みをしたはずの、山形・岩手・秋田などはあまり成果が見られない)

 同じことが、「沖縄県」でも言えます。だいたい10年くらいかかりますが、「受験補習・宿題・出願指導」の3点セットを上手く行うと、大学入試については全国標準を上回るくらいの学力になるんですね。

 そして、10年前44位だったセンター試験平均点は、コンスタントに20位台にまで上昇しました

 もちろん、背景として、私学の存在、予備校など学校以外の学習支援の存在、教育委員会の政策など、いろいろな要素の歯車がはまったということもあるでしょう。ただ、はまれば効果は上がるんですね。

 これは私的仮説ですが、特に「那覇市周辺の進学校」が、このパターンにはまったのではないでしょうか。そして、受験学力と実績が向上していったと言えます。


 もちろん、こうした受験のための学力向上業務は、当然ながら、勤務時間を超えて行われることが多いです。

 0時間目は勤務時間外です。出願指導のためのデータ収集・資料作成・会議などは放課後に行われます。

 教科書を使った授業以外の準備や、宿題の作成・点検・返却などの業務も加わります。

 これは、生徒も同じ。早朝から登校し、授業~部活動~宿題という日々です。

 そして、学習指導要領と大学入試が変わることになります。

 

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