今の時期だからこそ、、、その6

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 今日でインドでロックダウンが実施されて(3月25日)1ヶ月となります。まぁ、私が住んでいる州では3月13日から外出などの制限が開始されて、3月21日から州独自のロックダウン がスタートしているので、今ロックダウンしてから何日めだっけ?という感情の方が大きいのですが。


 そんなインドの最近の状況と、今後解除されるであろうロックダウンに伴う懸念事項を書いておこうと思います。
 政府が通達したロックダウンの期間は、5月3日までとなっています。つまり後10日程度です。
 しかし、この1ヶ月の状況を見る限りとても解除に向かうとは思えません。
 なぜかというと、このロックダウンが開始された以降で確認されている感染者数は実施前の実に約30倍。(3月25日の時点では感染者数は657人でしたが、現在(4月23日)では21,370人。)
 感染者の推移を見てもまだピークが来ているとはとても思えない状態です。ロックダウンは、感染者の増加がピークを迎えたと思われる以降で解除しなければ、次の感染拡大を招くことが予想されるので、ピークが来たかどうかの判断が非常に大切です。しかし、今のインドの状況では、、、。
 また、最初にも書いた通りロックダウンが開始されて30日近くが経過しています。つまりロックダウン 開始前に新型コロナウィルス を体内に保有した方も、すでに発症をしている可能性が非常に高い状況を作っています。(発症までには3〜14日程度と言われています。)
 おかしいですよね?
 なぜ新たな感染者がどんどん増えているのでしょうか?
 ロックダウン が正しく実施されていれば感染者数は現象に向かうだけの期間が経過しているはずなんですが、、、。
 結論から言うと、ロックダウン が正しく実施されておらず、新たな感染者をどんどん作っている状況だからです。(詳しくは後から記述します)

 また、もう1つの大きな問題としてインドという国の問題があります。
 医療関係(保険の手当て)といったことが、非常に乏しく所得が低い方は簡単に病院へ行くということを実施できておらず、その流れの中で新たな感染者を作っている状況もあります。
 こういった話が出るとインドで必ず話題になる地域があります。それがムンバイ という都市にある『ダラヴィ』というアジア最大ともいわれるスラム街です。この地域に住む人の数は未だに正確な数字がわかっておらず、30〜100万人とも1,000万人とも言われています。
 狭い地域にこれだけの住民が住んでいる、、、つまり常に『3密』が守れない地域だと言えます。
 この地域でも感染者が見つかっていますが、現在わかっている数字は感染者はまだ200名程度ですが、検査を受けれていない方を含めると既にとんでもない感染者がいる可能性もあります。
 つまり、正式な数字にカウントされていない感染者が非常に多くいる可能性があるのがインドという国になります。

 また、つい最近観た記事に書かれていた内容ですが、ロックダウンされたことで、飛行機、車、バス、バイク、タクシー、汽車といった乗り物を使って州を超えるという行為は禁止されました。しかし、徒歩で移動することにはどうも制限がされていなかったみたいです。
 この為、ロックダウンで仕事を失った労働者の多くが歩いて自分の田舎、つまり州を超えての移動をしているみたいなんです。(これは特にロックダウン期間の延長が発表された以降で多くなっているみたいです。)
 徒歩移動の方の多くは集団行動されている様なので、、、当然感染リスクが高いですよね。さらに移動しているので、感染拡大を招く可能性も非常に高い、、、。
 これが今のインドの状況です。

 では、これらのことを含めてロックダウン期間を延長する方が良いという私の考えを記載します。
 まず、私が住んでいる地域でも既に始まっていますが、インドの方の新型コロナウィルス に対する危機感が異常な速度で失われていてっていることです。既に1ヶ月近く経過しているということもあり、新型コロナウィルス 疲れを起こしている様にも思いますが、ここ最近街中で見かける人たちは、マスクもつけず、3密なんてどこ吹く風で井戸端会議をしているという人が非常に多いです。
 しかし前述したとおり、まだ他の地域では感染が拡大しておりいつピークが訪れるのかすら判らない状況です。
 この状況でロックダウンを解除すると、、、無症状感染者や発症前の感染者の多くが移動を開始してしまい、公共交通機関を利用することでクラスターがそこら中で発生し、結果次の感染拡大を招くことが予想されます。
 そして次の感染拡大では、備蓄していた医薬品や医療資源が既に目減りした状態から治療がスタートをするので、感染予防をするための資源、感染者の治療のための資源がないという状況が起こるのでは?とおもいます。
 そうなると、そこからは爆発的な勢いで感染者数が増えると予想されます。そうなると、、、あとはアメリカやヨーロッパと同じ状況になるでしょうね、、、。

 過剰に反応する事は良くはありませんが、事前に対策を考え(ニュースなどで調べて)、他の人に迷惑をかけない行動が必要になると思います。
 この事は、インドだけではなくすべての国の人が気にかけて行動する事でこの局面を乗り越えられるのでは?とも思っています。
 さらに、この記事を書いていた4月23日の夜に、日本ではちょっと考えられないニュースが飛び込んできました。
 インド政府乗りも先に外出制限(ロックダウンの様な物)の実施を行った私の住む地域では、インド政府が通達している5月3日のロックダウン解除前に、州政府が先に出していた外出制限の規制緩和を実施をすると言うのです。(4月28日の予定です。)
 州政府の上に国の政府があると言うのが普通の国の形だと思っていたので、国の政府の指示を無視して独自に動こうとする州政府の行動には、私の様な外国人にはちょっと理解しかねる状況です。
 確かに私が住む州では新規の感染者はピークを超えて減少傾向にある、と思える数値が並んでいますが、ここで外出制限の緩和を実施すれば日本でも発生していた『コロナ疎開』と同じ現象が起こり、無症状感染者が他の地域から、『安全な地域に移動しよう!!』と大量に流れ込んでくることも予想されます。
 国としての対応を第一において行動してくれる方が安心できるのですが、、、。
 何にせよ、世界的に早くこの新型コロナウィルス から立ち直りたいと願っています。

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