【フランスの森の中④】上裸でドレッドな妻子持ちヒッピーと、廃バスの中で成立した英国人カップルたちと、テントの中で「人間失格」を読みふける僕(19)と、時々犬連れてるおっさん。

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C’est qui ce mec!?

我らの城に到着し、なんとなく焚火を囲んでタバコ吸ったりしていた(ちなみにマジで全員吸う環境、マリファナはヒッピーもやってなかった)そうこうしているうちにジョンともおっさんとも会話することがなかったが、この家の犬だというシュウパック(シェパードっぽいけど人懐っこいバカ犬)とただただじゃれていた。もうすぐ20時だというのに、全然暗くない。日本の夏の17時くらい…。なにこれ。しかもめっちゃお腹減った。。これも後で知るのだが、日本ももちろん家庭によると思うが、フランスだと、たいてい20時頃からなんか食べるか~と準備しだして、21時まわってからごはん食べることがしょっちゅう。それまでめっちゃ適当に過ごす文化なのだ。(いくつかお家訪問したけど大体そんな感じ)知らない僕はなんでこいつら飯の準備もしないんだ…と思っていた。
そんな中、これまたおんぼろカーが森の中へ入ってきた!ついにホストファミリーとのご対面である!!これはまじで衝撃的な出会い。本当に何の変哲もないほほえましい家族だったのだ。お父さんが上半身裸でドレッドで素足だったことを除けば。妻と子供が2歳くらいの子とまだ半年くらいの子の4人家族。後はもうひとりWWOOFで滞在しているイギリス人の女の子が一緒に買い出しに行っていた模様。ちなみに妻も今思い返せば、ヒッピーの部類なのだが、旦那の方のインパクトが強すぎて普通に見えた。白人だけど、黒髪でクレオパトラみたいな顔立ちの人だった。服も着てたし。時代が一切わからないワンピースみたいな簡易なものだったのでなおさらクレオパトラっぽい。子供は上は女の子で普通の服着てたし、THE外人の可愛い茶髪の女の子。生後半年くらいの下の子もかわいい布のくるまれてて、その下にちゃんと服着てた。でも、お父さんだけ、上半身裸でドレッドで素足だった。
伝わんないと思うんだけどさ、旧約聖書とかに出てくる人なんだよね。モーセとかで苦しめられてる奴隷の人たちみたいなさ。イエス・キリストとかも十字架磔になるときこんな感じだったんじゃないかな。とにかく、驚くのは、胸板とか背中から垣間見る、暑いから最近服着てないんだよね、では明らかにない、めちゃくちゃ日焼けして無数の傷というか擦れている肌!白人のはずだけど完全に全身が僕より黒い。ドレッドもロングヘアーをぐるぐる巻きにしてるの。
とにかく、かなり異質な、だけどこの森の中ではある意味一番似合っているような謎のヒッピー男は僕を見るなり、笑顔で挨拶してくれた。フランス語で何か言ってくる。当然ほぼ聞き取れない。自己紹介してくれた。名前さえ聞き取れなかった(笑)。何回も聞き直してわかったことなのだが、彼の名前は「ジペ」。フランス語勉強してきたけど、一回も聞いたことない名前だ。実はただしくは「ジャン・ピエール」。これなら知ってる。なんとなく教科書にも似たような名前聞いたことこあるもん。フランスでは割と本名が長いので短い愛称で呼ぶようで、Jean-Pierre(ジャン・ピエール)の頭文字をとって、JP(ジペ)。今でこそ、普通だけど、その時はまじですげー変な名前だと思った。でも、名前以上に見た目のインパクトがありすぎたので正直その場は、Haha、と流してた。
これがタイトルに出てくる人たちとの出会いだ。文章が下手でなかなか伝わらないけど、タイトルのインパクトの印象よりはずっと良い人たちで、たぶん当時、自分が一番社会に適応できていなかったと思う。そんな、完全に世間知らず丸出しの自分が、フランスという異国の地で、刺激的だけど、どこか人としての「Take it easy」的な、なんとかなるさ的な事を教えてもらった秘密の2週間を語っていきたいと思う。

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