世界最高のリベンジNo26
ドキドキ。
家の中では、インターホンに反応して犬が泣いている。
・・・でも、誰かが出てくる気配はない。
少し待って、もう一度押してみた。
ピンポーン・・・人の気配がしない。
留守なのか?
最後にもう一度だけ、押してみた。
やはり、誰も居ない。
留守だ・・・。 ショック。
「あ~、もう今日はムリかもしれない・・・。」
勢い勇んで、来ただけにがっかりだ。
どうしよう~。
残念だけど、今日は諦めて、又来週来てみよう・・・。
そう思って、車に乗ってエンジンを掛けた時、
バックミラーに、一台の車が停まったのが見えた。
車には男女が乗っていた。
運転席から誰かが降りて、こちらに歩いてきた。
誰だろう・・・?
車の横に来ると、その男の人は言った。
「何か御用ですか?」
その言葉で、 「倫子の旦那だ!」 と分かった。
心の準備が消えかけた時の、行き成りの登場に焦ってしまった。
「わ、私は○○と言いますが・・・・あの・・・・実は・・・・」
突然、こんな窓越しで、貴方の妻の不倫話なんて、どう話せばいいの。。。。?
そうだ、まずは確認だけはしなくては・・・。
私は倫子の車のナンバーを写した写真を見せた。
カ 「これは、お宅の車で合ってますか?」
その男の人は、その写真をじっと見て答えた。
「はい、そうですけど・・?」
(分かっていたけど、やはり相手は倫子だった。)
カ 「それじゃぁ、ちょっとお話したい事があるんですけど・・・」
倫子の旦那は少し真剣な表情になった・・・。
その時、後方からニコニコしながら、助手席に乗っていた女の子が近づいてきた。
倫子の娘だ。
父親が話していたから、自分の家に来たお客さんだと思ったんだろう。
無邪気な笑顔が痛い。
軽く会釈をすると、空気を読んだのか、又車に戻っていった。
そして、私達は話をつづけた。
「どんな事でしょうか?」
彼は少し不思議そうな顔で聞いた。
(そんな事、この場で簡単に話せる訳が無い・・)
カ 「すみませんが、お嬢さんもいらっしゃるし、
今ここでは話せないんで、
何処か近くの喫茶店とかで話せますか?」
それを聞いて、あきらかに彼の表情が変わった。
私の神妙な話し方で、何かただ事じゃないと気付いたのだろう。
「分かりました!直ぐ近くに喫茶店があるので付いてきてくれますか?」
彼は、娘さんに何かを伝えると、車に乗りスタートした。
その後ろを追いながら、私は思った。
私の最強の味方・・・。
ラゴンが誰よりも恐れる相手、
私と共に戦ってくれる最強の戦士の登場だ!
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