世界最高のリベンジNo32ダブル不倫の悲劇
アベンの後方から歩いて行くと倫子の顔が見えた。
倫子は私に気が付いた途端、目を合わさないように下を向いた。
バツが悪そう・・・。
そりゃぁ~~、そうだろ!
私の顔を直視出来るはずが無い。
一体どんな図太い根性をしているのか知らないけど、私は何度も
「旦那に言うよ!!」と、警告をしている。
それにも懲りず、ラゴンとグルになって私を騙そうと、
2人で偽装工作までして不倫を続行し続けた。
私から言わせれば、凶悪犯だ。
こうなったのは自業自得だ。
倫子もアベンだけなら、口で言い任して誤魔化せると思っていたかもしれないけど、
私が居ては観念するしかない。
そう、ラゴンがアベンを恐れるように、
倫子にとっても、私は一番恐れている相手だから。
アベンは、バカ嫁に(言い過ぎ?)怒鳴っていた。
ア 「一体、どういうつもりや! ええ加減にせぇよ。
自分が何をしたか分かっとるんか!」
「毎週毎週、家の掃除もせんと遊び歩きやがって!」
「こんな事して恥ずかしくないんか!
ええ年して良くこんな事ができるな!」
倫子は黙って下を向いている。
表情さえも分からない。
暫く、アベンが倫子に説教をしていたが、ラゴンはまだ帰ってこない。
遅い・・・。
ラゴンはお茶を飲みに行くと言ったが、恐怖で出てくる勇気が無かったんだと思う。
今頃、事の重大さが分かって怖気づいていたに違いない。
私は倫子に 「貴方の相棒は逃げたかもよ!」 と言った。
その時、倫子は 「え?」 と言う表情で、思わず顔をあげかけた。
私は 「どんな奴かも知らずに、よく付き合ってるわ!」 と、
倫子を哀れに思った。
そして、ラゴンに電話を掛けた。
プルルル・・・・プルルル・・・・プルルル・・・・
ラ 「・・・はい。」
カ 「何処まで行ってんの! 皆待ってるんですけど!!」
ラ 「・・わかった・・・・今から・・行く・・・・・」
2分後、ラゴンの車がパーキングに入ってきた。
ラゴンは、ゾンビのような顔色で車から降りた。
私は普段と全く違うラゴンに言った。
カ 「逃げたかと思ったわ!」
ラゴンは蚊の鳴くような声で言った。
ラ 「・・・そんな事・・せんわ・・・」
オドオドしながら、手を前で組んで・・伏せ目がち、
勿論こちらを直視出来ない。
これが、仮にも私の夫だなんて・・・。
情けない・・・。
情けなさすぎる。
女、子供に本気で切れまくるくせに・・・。
大声で怒ったり、机を蹴ったり威嚇しまくるくせに・・・・。
大人の男として、最低の姿だった。
この時の私は他人を見る目でラゴンを見ていた。
何の情も無い、あるのはリベンジだけ!
むしろ他人以下だ。
敵でしかない!
さー、メンバーが揃った。
ここから、ダブル不倫と言う犯罪を犯した2人への制裁が始まる。
アベンが2人に対して怒りをぶつけている間、私は黙って横に立って聞いていた。
私が何かを言うまでもなく、アベンが全て言ってくれていた。
アベンの倫子に対する怒りは普段の生活の話になった。
「掃除もしない、家は服を脱ぎ捨てて歩く所も無い・・・。
休みの日は、ご飯も作らない。
いつも家にいなくて遊びまわって、
飼い犬も散歩にも行かず欲求不満で病気になっとる」
話しを聞いていると、最低の母、最低の嫁、最低の飼い主・・・。
そして、倫子にとっては愛するラゴンの前で、
自分の正体をバラされるのが、一番の恥だったんだろう、
この場に及んでまだ誤魔化そうとしていた。
リ 「そんな事ないやん~・・・掃除もしとるやんか・・・」
このバカ嫁の態度で、
冷静に聞いていた私の怒りに火がついた。
何だ、この生き物は~!
自分の恥を皆の前でバラされて、まだ体裁を気にして嘘を付く気?!
この2人から出てくる言葉なんて、謝罪以外何も出ないはず。
全然反省してないじゃん!
私の頭の中で、ブチッブチッと何かが切れる音が響いた。
この瞬間、人が良くてスマイルの表情筋しか使った事が無いカレンに
チョーーー毒舌の何かが乗り移った。(毒舌妖怪?)
バカ不倫女と、
バカラゴンの29年間の恨みが蘇ってきた。
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