これまでの僕のストーリーをここで一旦まとめます。
「食えない職業としての俳優」から脱却したいけどできない日々で悶々。
浅野忠信さんに会って「俳優として絶対に食べていける」マインドを教わる。
ある講演会で「俳優として、一人の人間としてどうありたいのか?」を問われる。
震災のボランティアを通して、「思いっきり自分の人生を楽しんで、夢を与えられる」俳優になりたいと思うようになる。
やべぇ、こりゃ無理だ。。。

そんな貴重な体験と出会いを通じて、「自分が本当にやりたいことはなんなのか?」を問い続けて、
僕の中で、俳優としてそして一人の人間として在りたい姿が明確になっていきました。
その結果、「俳優という職業を通して、社会に貢献できることは、感動を与えること」
という原点に帰った時に、「え、つーか普通にそれってすごいことじゃないか?」って思ったんです。
これだけモノが溢れている現代にあって、ときに2時間という時間でその人の人生まで変えてしまうほど心に影響を与えることができる仕事って社会に貢献できる価値を十分に持っているよね、と思いました。
でも、日本においての俳優という職業は一般的な感覚として、パティシエさんやデザイナーさんといった他の職業と違って、下積み時代は「職業」として認められていません。
もちろん、そもそも仕事がないので職業もなにもないんですが、仕事がないから一向に稼ぎにならないし、プロとしてのマインドも一向に磨かれません。
じゃあ俳優として仕事がないのはなぜか?
それは映画や舞台にしか、俳優の活動フィールドがないからではないでしょうか?
だから僕は
①もっとより多くの俳優に「俳優として」お金がもらえる仕組みと雇用を作る、
②もしくは、俳優以外に収入を得て俳優活動にあてるスキームを作る
ということを日本に実現したいな、と考えるようになりました。
だけど、肝心の「方法」が見つからないのです。

どれだけ貴重な体験をしようと、どれだけ夢がでっかくなろうと、
当時の僕は傍からみたらただの夢追いのフリーターです。
なまじ経済の勉強なんぞ始めてしまったもので
「ただでさえ稼ぐことが難しい芸能界でどうやって夢を実現させていこうか?」
と考えた時に、
僕「やべぇ、こりゃ無理だ。。。」
と思ってしまったんですね。
この瞬間僕の中で、
芸能界で売れることが選択肢の中から消えました。
プロデューサーからの衝撃の一言
現代では、少し前までとは違い、
芸能界で売れる=稼げるの方程式は成り立ちません。
え、そうなの?と思うかもしれませんが、そうなんです。
これは僕が音楽プロデューサーの方から聞いた話ですが、
『前はメジャーデビューこそ成功だと言われていたが、今はメジャーデビューしても食べていけないこともザラにある。
それは芸能界にお金を生んでいてた「スポンサー」という広告モデルの前提が崩れてきているから。』
という話を聞いた時に、その確信が生まれました。
そしてその時にそのプロデューサーさんから言われた一言が決定的でした。
「俳優はこれからの時代はビジネスができないと食っていけないよ」
最初は、「び、びじね、す?」と思いました。
だってそれまでフリーターしかしたことがありませんでしたから、
僕「ビジネスとか無理っす。」
と即答してしまったのですが、
でも俳優を「個人事業主」として捉えるなら、
商材:自分(の人間性と演技力)
営業:自分(の信用力とコミュニケーション力)
マーケティング:自分(どこにどうブランディングをし売り込むか?)
経理:自分(芸能事務所との契約であっても)
などを全部自分がやらないといけない職業なんです。
僕「あー、なるほど。こりゃビジネスできんとダメだ。。。」
このことが腑に落ちてから、いちビジネスとして俳優業を捉えるようになりました。
冒険の始まり

『ドラゴンクエストIII そして伝説へ...』(C)スクウェア・エニックス
そして時がたち、
青年はビジネスのノウハウを手にして社会に影響力のある人間として成長をし、
日本の俳優のあり方や価値観・仕事内容さえも変えていくことに、、、
なったら感動的なお話なんですが、そうは簡単な話にはならないですね(笑)
①もっとより多くの俳優に「俳優として」お金がもらえる仕組みと雇用を作る、
②もしくは、俳優以外に収入を得て俳優活動にあてるスキームを作る
いまはまだこの夢の途中です。
ただ、①の方は僕がやらなくても、他にやってくれている人を見つけたので、その人に協力して行く形で実現しようと考えています。
なので、②の方で僕は一つのロールモデルを作ろうとしていて、いまようやくそれが整ってきた段階です。
まだ途中ですが、でも着実に進んでいる実感があります。
あと一年もあればその基盤が整うかな、といったイメージの持てるところまできました。
最終的な目標は、劇団員全員の 月収が 100万円(とはいえ少数精鋭の)を越える劇団「劇団月収100万円」(そのまんま 笑)を作る事です。
そうしてエンターテイナーとして
世界中をフィールドに多くの人に感動を与えられる人間になれるように
また、多くの人に「そんな仕事も出来るんだ俳優って」って思ってもらえるように、
社会貢献できる俳優を一人でも増やしていきたいなと思っています。
※2018年9月28日追記
僕は今は恋愛コラムニストとして活動しており、この時の目標は既に手放しています。
この時の劇団月収100万円の野望は、僕の兄である「一ノ瀬京介」が実現しようとしてくれています。興味がある人は「サステナクリエーションファミリー」で検索してみてください。
そのために必要なこととは?
そうして考えた時に、このSTORYの主題にも関係してくる部分ですが、
僕の在りたい在り方の場合、俳優だけの経験でビジネスのマインドやスキルを磨いていくことは、行きたい目的地のための最適な乗り物には思えませんでした。
僕の大好きな俳優さんの中に高倉健さんがいます。

画像転載元:http://adv.yomiuri.co.jp/adreview/201207/008.html
高倉健(C)永谷園
高倉健さんは「生き方が、芝居に出る」ということを信条としていらっしゃいます。だからこその、あの重厚で人間味のある演技ができるんだと思っています。
他人の人生を生きるのが仕事である役者にとって、「生き方」を磨かずして、本当の役者にはなれません。
結論から先にいうと、今僕は俳優業ではない別の事業で生計を立てています。
現実的な側面でいえば「まず収入を得ること」もやりたいことの実現のために必要だと思っているからです。
高倉健さんは、そのプロフェッショナリズムのもと、芸能界というフィールドでその生き方を磨かれてこられましたが、僕は高倉健さんのように自分をいつでも律せられる人間ではないので、
そういう「生き方」を磨くことのできる事業に取り組み収入を得ることで、最終的に役者である人間にとって絶対に必要な「生き方」を先に磨いていくことを手段としてえらびました。
もちろん、それが落ち着いたら俳優として一から鍛え直すプロセスも視野に入れての選択です。
これからの時代は、
している仕事の内容ではなく、
どういう在り方をしているかが、問われてくる時代です。
勤めている会社ではなく、持っている肩書きではなく、
生き方が評価される時代です。
それは俳優に限らずどの職業でもそうではないでしょうか?
だとしたら、自分はどう生きたいのか?
その二年間の悩みの答えが、ここに長々と書かせていただいたことです。
ここまで付き合ってくださった読者のみなさま、
ほんとうにありがとうございました。
これからも、一歩ずつ、一歩ずつ、夢実現に向けて、
謙虚に、素直に、そして楽しく「生き方」を磨いていこうと思います。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
編集後記
最初このことを公にすることに少し悩みましたが、
この文章を書くことで、勇気付けられる人が一人でもいたらいいなという思いで書きました。
と、同時に将来僕が成し遂げたいことの、スモールなことがここで実現できるかもしれないと思ったのも理由の一つです。
PART1から読んで下さった皆様、ありがとうございました。
皆様の「読んでみたい」に励まされて書き上げることが出来ました。
実は本当はここで終わろうと思っていたのですが、
嬉しいことに、読んで下さった方の中から、直接メッセージをくださった方がいて、「将来どういうことをやろうとしているのかも聞きたい」というリクエストをいただいたので、
【番外編】として、今後の僕のビジョンもどうせなら書こうと思います。
まだ実現していないことを書くのは抵抗がありますが、夢は口に出した方がいい、というアドバイスもいただいたので。
書くのは、タダなので(笑)
ですので、もう少しだけ我慢して、番外編も読んでいただければ嬉しいです。
よろしくお願いいたします。

