~偶然は神様がくれたボール 運命は女神とのキャッチボール~全国47都道府県ツアーから得たこと 第三話
【第三話】卒業生に助けられた大航海直前
埼玉県さいたま市浦和区⇒東京都八王子市
区間移動距離 27.8km
概算総移動距離 72.4km
2013年7月21日 AM9:00
≪埼玉県さいたま市浦和区 喫茶店≫
7月21日 PM0:00
その日も暑い一日だった。
暑いから、クリームソーダを一気に飲み干す。
今日まで同行のミヤタさんが、ふと尋ねる。
「今日、申込みあったんですか?」
『ない』
俺は、キッパリ答えた。大学のキャリアセンターに告知を出しても、中々効果はでないと予測していた。
現実問題として、学部3年生や大学院1年生をターゲットにしても、テスト期間であった
り、また意欲の高いと呼ばれる学生は、≪インターンシップ≫に行くだろう。
それに、大学生は、意外と忙しい。
特に週末は、遊びだけでなく、アルバイトがある。
続けざまにこういった。
『まぁ、お前さんの為の個別授業だと思えばいいじゃないか』
「そうですね」
≪埼玉県さいたま市浦和区 浦和会館≫
7月21日 PM1:00
予想以上に大きな会場で、1対1のセミナーでは立派過ぎる会場であった。
ミヤタくんについて簡単に説明しよう。
彼は、企業から4年生の4月に内々定にもらい、その後、後輩をフォローする形で、ずっと
このプロジェクトに参加していた。
研究室に寝泊まりをして、就活ピーク時に心身とものバックアップをしていた。
彼は、いつもこう言う。
「僕は、ヒダカさんに世話になりましたから。同じことを後輩にしているだけです」
もっとも、卒業研究を指導していた関係もあったが、授業としては、1年以上やってない。
学生時代と異なり、今や社会人。
研修だけでなく、現場でエンジニアとして働いている。
俺との年齢差は、14歳。
一般企業で言えば、係長と新入社員や課長と新入社員だろう。
そこで、≪課長のシゴト≫についてじっくりとお話した。
そしてもう一つ、≪エンジニアがセールスする≫ということを。
座学だけでなく、時に良い意味でのバチバチ感。
あっという間に借りていた2時間は過ぎた。
≪武蔵野の奇跡≫
読売新聞武蔵野版7月18日朝刊に、このイベントを掲載していただいた。
その裏では、記者さんからの電話による取材があり、また応援していただいた兄貴分が
いた。
その恩は、忘れちゃいけない。
≪東京都八王子市 東急スクエア 11Fサウンドホール≫
7月21日 PM6:00
ここは、八王子駅の目の前に位置する大きな建物の11Fにある。
浦和駅からは、京浜東北線・武蔵野線・中央線を乗り継いでやってきた。
この会場では、申し込み・問い合わせがあった。
結果を言えば、受講には結びつかなかった。
そこで、浦和会館からの、引き続きの講義やディスカッションとなった。
その時、ミヤタくんに講義の中でこう言った。
『どんなに立派な技術でも、お客様がいなければ、貢献することすらできない』と
2日間同行してくれた、ミヤタくん。
そして、初日来てくれたドリメン。
そして、八王子…いやもう博多の兄貴分
改めて、この恩
いつか、きっと返せるように……
胸に誓って、いよいよ本格的な大航海が始まろうとしていた。
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