『第三十話 どこでもドリーの羽越路(山形県その2・新潟県編)』~偶然は神様がくれたボール 運命は女神とのキャッチボール~全国47都道府県ツアーから得たこと 第三十話
第三十話 どこでもドリーの羽越路
山形県米沢市⇒新潟県新潟市⇒富山県富山市
前回までの補正移動距離 7341.7km
区間移動距離 441.0km
概算総移動距離 7782.7km
区間移動距離 441.0km
概算総移動距離 7782.7km
≪奥羽本線 山形駅⇒米沢駅≫
山形新幹線と同じ線路を走る奥羽本線、各駅停車はゆっくり進んでいく。
時に、新幹線と行き違いの停車をしながら。
夕方の時間帯の電車。
この電車に乗らなければ、今日中に新潟にたどり着けない。
列車は、米沢駅に定刻通り着いた。
この電車に乗らなければ、今日中に新潟にたどり着けない。
列車は、米沢駅に定刻通り着いた。
≪米坂線 米沢駅⇒坂町駅≫
米坂線は、山形県の米沢と新潟県の坂町を結ぶローカル線である。
およそ90kmの、山間地域を2時間かけて進んでいく。
およそ90kmの、山間地域を2時間かけて進んでいく。
昔は、広域輸送や貨物輸送などで、活気あふれていた路線。
今は、道路交通網が整備され、ローカル線としての使命を果たしている。
今は、道路交通網が整備され、ローカル線としての使命を果たしている。
この日は、数日前に起きた大雨の影響で、山形県の今泉駅と小国駅の間が代行バスになっていた。
直通で坂町まで行く列車は、1日5本。
乗った列車は、PM6:29発 新潟行快速べにばな号、最終電車である。
≪米坂線 米沢駅⇒坂町駅の車中≫
8月8日 PM6:29
ディーゼルカーの小気味良い音が聞こえる。
隣り合った方と、いつしか話し込むようになった。
新潟県に住む大学2年生、平泉を旅行してからの帰り道だという。
少しづつお話を聴いていった。
少しづつお話を聴いていった。
気が付いたら、列車は、今泉駅に着いた。
運転士が、代行バスに乗り換えてくれという。
そして、俺らは、小国駅の改札を出て、駅の前に止まっていたマイクロバスに乗り込んだ。
補助席に座る俺、後ろには彼女が座った。
バスの中の無言。
良くないと思いながらも、無言で振り返る。
しゃべっちゃいけない感。
そうこうしている間に代行バスは、山形県と新潟県の県境にある、小国駅に着いた。
列車に乗り込んだら、口火を切って話し出した。
いやリラックスしたと言ってもいいだろう。
そして、米坂線での≪ドリー≫が始まった。
そして、米坂線での≪ドリー≫が始まった。
『なぜ大学選んだの』
「人の役に立ちたいんです」
『誰の役に立ちたいの』
「お年寄り、将来は親の役に立ちたい」
『親に話したことある』
「恥ずかしくてはなせない」
『いつか話せたらいいね』
列車は、いつしか坂町の駅に着いていた。
彼女が帰る方向の列車が来るのを待った。
坂町まで着けば、そんなに焦ることはない。
坂町まで着けば、そんなに焦ることはない。
「明日バイトが早く終われば。また話しますか?」
『早くおわれば、また会いますか』
移動もあるし、お互い分からない状況だけども
『また会いましょう』
この言葉ってすごく大切だと思った。
どちらが、言い始めたかよりも、≪また会いましょう≫というコトバは、疲れ切った旅人にとって、大きな力となる。
どちらが、言い始めたかよりも、≪また会いましょう≫というコトバは、疲れ切った旅人にとって、大きな力となる。
≪新潟県新潟市≫
8月9日 AM0:00
ホテルが、見つからない。
いや、どこも泊まれない状況。
≪マンガ喫茶≫は、身体に応える。
ホテルじゃなくてもいい。
ただ、横になりたい。
歩いて歩いて、2時半ごろ万代プラザホテルが空いており、ようやく寝床を確保した。
≪新潟県新潟市 新潟駅前≫
8月9日 PM10:00
時間は、いくらでもいや・・・あと6時間位か。
意外と新潟から富山へは時間がかかる。
昨日、お話した学生さんからLineが来た。
「今日もしかしたらバイト6時位まで掛かりそうです。」
これは、ちと難しいかもしれないなと思った。
ふうさて、どうしようかと思っていた瞬間に二人組の女の子が、通り過ぎた。
取りあえず声を掛けてみる。
『どーも、おはよーございます』
かき氷を食べていた女の子たちが、立ち止まってくれた。
『全国47都道府県を回って写真を…』
いつものフレーズを言ってみた。
「めちゃくちゃ怪しいじゃないですか」
そりゃそうだ。俺でもそう思う。
『そうだよね。怪しいよね』
つい俺も同じペースで返してしまった。
しかしながら、かき氷の話から、お話が出来るようになった。
そして、いつしか立ち話での≪ドリー≫が始まった。
『なんで浪人したの』
「行きたい大学があるから」
『浪人生って、どんな感じなの』
「浪人生って基本的にプライドが高いとおもう」
『でもこの仲間って浪人したからできた仲間でしょ。素晴らしいじゃん』
「確かに言えてる」
人生思い通りに行くことなんてほとんどない。
でもそれを如何に楽しめるかだと思う。
大学受験予備校に通う浪人生だそうで、夏休みも返上で予備校があるという。
『そういや、どっか美味しいお寿司やさんある』
と聴いたら、
「お昼お寿司食べに行きましょう」と誘われた。
彼女達が探してくれたお寿司屋で、お昼のランチを食べた。
お寿司を食べると素敵な顔になると言うのは本当だなと思う。
そのお店には、偶然にも、彼女達の内の一人が同級生がバイトしていた。
『今度は、お寿司の旅でまた会いましょう』
また、『またあいましょう』の言い方が、段々流暢になってきた。
気が付いたら、もう昼を回っていた。
富山には、今日中に着きたい。
残念だけど、また今度、米坂線で会った女の子に
『また、会いましょう』
とLineを送って、移動する準備を始めた。
『また、会いましょう』
とLineを送って、移動する準備を始めた。
≪新潟県新潟市 ドトール新潟駅前店≫
8月9日 PM5:30
旅も、半分に差し掛かり、少しづつ文章もまとめだしていた。
最初は、前途多難だった旅も、ようやく調子を上げてきた。
その場に応じて、変化していくスタイルに。
それが、正しいかどうかは、誰が判断することでもない。
そんなことを、メモしていたら、隣の席にベッピンさんが、
『こんにちわ』
と話かけてみた。
と話かけてみた。
彼女は、新潟の専門学校で保育を学んでおり、4年間通う事で、大学の卒業資格が授与
されるという。
そして、同時にアーティストとして、ライブも行っていると。
歌う事が好きで、
活躍する場所を、彼女だけじゃなく、彼女の周囲に支えてもらって、実現する。
まさにこの旅での、出会いに色々気づかされた。
≪新潟駅⇒富山駅≫
新潟駅から富山駅までは、特急北越10号金沢行に乗って向かった。
およそ3時間。
駅弁を食べながら、旅で見聞きしたことを文章に直す作業に充てていた。
また、富山での宿泊先予約もした。
もう歩きたくない。
そんな時に、長崎で撮影した、ユカさんから、ユカさんの地元である福井県で、再会で
きますよというLineが来た。
およそ、4000kmぶりの再会だった。
そんなやり取りをしていたら、富山駅に定刻通りついた。
富山駅の近くの食堂で見たニュースでは、秋田と岩手の大雨と土砂災害が報じられてい
た。
秋田の連中は、大丈夫かしら
岩手の連中は、大丈夫かしらと心配になり、メッセージを投げた。
余談になるが、この米坂線で知り合った女の子と、たまにLineをしている。
予備校生の子ともLineしている。
このストーリーを書きながら、私出すんですか?なんて言われている。
出会いは、面白い。
そして、世界は広い。
この、日本でもそんなことが起きるのだから。
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