『第三十一話 シューカツよりコイカツ・コンカツ(富山県・石川県編)』~偶然は神様がくれたボール 運命は女神とのキャッチボール~全国47都道府県ツアーから得たこと
第三十一話 シューカツよりコイカツ・コンカツ
富山県富山市⇒石川県金沢市
前回までの補正移動距離 7782.7km
区間移動距離 441.0km
概算総移動距離 7782.7km
区間移動距離 441.0km
概算総移動距離 7782.7km
≪富山県富山市内≫
8月10日 AM9:00
起床は、大抵朝8時前。
まずは、トレーニングからスタートしている。
ジョギングやって、ストレッチやって。
その理由は、42日間の長旅。
きちんと、体力作りをしておかないと、身体が持たない。
今日は、旅が始まって、4回目の土曜日を迎えた。
残り半分を切ったが、台風などの災害リスク、更に体調悪化など様々なトラブルが予想
される。
リスクを最小限にするために、今日もトレーニングは欠かさない。
それでも、太ってしまうのは、老化なのと思う。
≪富山県富山駅 付近≫
8月10日 AM11:40
観光客っぽい人に声を掛ける。
『こんにちわ。旅行ですか?』
「インターンシップなんですよ」
聴くと、薬学部系統の学生さん。
富山県は、製薬の製造メーカーも多く、薬学系統の学生を対象としたインターンシップ
も少なくない。
列車の時間もあったため、早々に切り上げて、また駅付近を散歩。
今度は、若い女の子達。
この旅では、少しづつ聴き方を変えている。
『こんにちわ。可愛い人を探して全国を歩いているんだけど・・・可愛い人ってどこにいますか?』
いきなり、撮影させてくれではなく、どこにいますか?という聴き方で、地域の文化や
情報を少しでも、会話を通じて探索したいそういう理由もあった。
「岩瀬浜」
『いわせはまー?』
まるで、テレビのバラエティー番組の様な、答え方で聴き返した。
「水着ギャルがいるんですよ」
『水着ギャルぅぅぅ』
本当に、この時ほどビデオカメラを持っていけば良いと思ったことはなかった。
≪富山県富山市岩瀬浜付近≫
8月10日 AM12:50
富山ライトレール岩瀬浜駅は、旧JR富山港線の終点だった。
2006年に、JRから第三セクターに事業母体が以降し、路面電車化し、現在に至る。
利便性も高く、一時間に4本ヘッドで運行され、JR富山港線時代と比較して、乗降客も
年々増えているという。
およそ、20分強で富山駅から到着する。
岩瀬浜に着いた俺。
暑い日本海。
汗だくになりながら、海水浴場に着いた。
しかし
しかし
『人がいない』
もっと正確に言えば、
『水着ギャルがいない』
思わず叫んでしまった。
そんな海水浴場を、大きなキャスター付きのカバンを持って歩いていると、イケメンさ
ん率いる集団に出くわした。
『すいませーん。イケメンさん達は何をやっているのですか?』
イケメンさんは、やさしく答えてくれた。
「富山県内で無料で配っているLien(リアン)という雑誌の取材で来ているんです」
『取材ぃ?何の取材ですか?』
「もちろん、水着ギャルです」
『なんですと。それで、水着ギャルはいたんですか?親分?』
「もちろん、今日はゼロ人なんです。」
『ゼロ―――――』
そんな、水着ギャルがゼロだなんて。
確かに、海水浴場でのギャルはゼロではない。
しかし、俺が写真を撮りたいと思うレベルではない。
俺の、愛する読者諸兄も満足してくれないだろう。
海水浴場で撮りたいもの。
イケメンさんだ。俺はそう思った。
勇気を持って聴いてみる。
『あの。イケメンさん。写真撮ってもいいですか?』
「イケメンじゃないですけど、撮ってもいいですよ」
なんと、男前な発言。
そうだ。
イケメンは、イケメンとは自分から言わない。
イケメンは、性格がイイ。
富山県の人とヒトを繋ぐフリーマガジン
Lien(リアン)の社長を
ハイチーズ
この方、実は、Lien(リアン)を発行している、大嶋社長さんだった。
俺の様な旅人に付き合ってもらい、東京からの情報発信スキームを提案した。
さて、時間も少ない為、会釈して別れ、富山駅に戻り、石川県の金沢に向かった。
≪石川県金沢市 金沢駅≫
8月10日 PM15:30
富山駅からおよそ1時間超、金沢駅に到着した。
加賀百万石
素敵な街並みに惹かれる。
そんな金沢駅を降りてすぐ、素敵な女の子と目が合った。
『こんにちわ。全国1周をしながら、美人な女の子の写真を撮ったり、色々なお話を聴いて回っているんですよ』
俺は、そんな自己紹介をした。
「そうなんですか。凄い。私は、おうちに帰るバスを待っているんです」
その女の子は言った。
『大学生ですか?』
「大学4年生です。」
『シューカツは、終わったのかな?』
「シューカツよりも、恋だったり婚活です」
全国ツアーに出て、初めて聴いた≪婚活≫
大学におけるキャリア教育では、企業に入ることが、一定のゴールとされている中で、
俺は、それを目をキラキラさせながら話すことが、嬉しかった。
『そうなんだ。結婚に向かって頑張ってるんだね』
ついつい、大学にいると内定を一定基準とするが、それが是ではない。
むしろ、結婚という新たなステージを、自信を持って語る姿も、また美しいと思う。
『もしよければ、写真を撮っていいですか?』
「私でいいんですか?」
はい
はい
チーズ
パチリ
キラリと光った笑顔に、未来の幸せなステージが垣間見える気がした。
『また機会があれば、お話聴かせてください』
次の未来のお話は、どんなエピソードなのか?
俺は、聴きたくなった。
彼女と別れ、加賀百万石祭りへ。
そして、翌日の再会を考えながら、ホテルに帰りゆっくり休んだ。
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