出張整体師はみた! 何歳でも女性~最初のライバルは・・・

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施術に伺う御宅に、子供さんがいるのは珍しくございません。

産前産後(医師の許可はとっていただきます)の不調
どんどん重くなる子供さんを抱えることが多いことによるお疲れ
子供さんがいることで、店舗型に出向く時間を捻出するのが難しい
という事情があるためでございます。御夫婦どちらかの場合もございますが、
御夫婦交代で子供さんを見ながら・・・
という事もございます。出張型という形式上、一箇所で複数名
お受けいただくのは、当方にとってもありがたいことで
ございますので、利害は一致しております。
初回辺りですと、子供さんが寝付いた時間を見計らってご予約
される方もいらっしゃいますが、
親御さんの微妙な気配
を敏感に感じ取るのか、その日に限って寝付かなかったり、
いつもは起きないのに起き上がって来るといった事になります。
皆様も幼少時に
「子供が寝た後で、大人は自分たちだけでおいしい物を食べている。」
であったり
「自分が寝たあとで面白い事がある。」
と思った事はあるかと思います。
「よその大人が家に来る。」
となれば、子供さんが連想するのはパーティー等のお祭り騒ぎです。
男の子でしたら変身ベルト、合体ロボット、女の子でしたらお人形さんや
そのおうち。これらの説明を懇切丁寧にして下さいます。

小生はもとより子供好きな方ですので、全く問題ないのですが、
興奮状態で終了後も寝付かなくなる事も少なくないようで、
2回目以降は起きている時間にお呼びいただく事が多いです。

O様ご夫妻には当時5歳の娘さんがいらっしゃいました。
整ったお顔立ちの父母によく似た元気な女の子です
施術中に興味をもって横に来るのは他のお宅のお子様でも
よくある事なのですが、この子は少々違った感じでございました。
O様御夫婦はご主人が先にお受けになり、後半に奥様がお受けになる
といった具合でございました。
娘さんはどちらの時もすぐ横にいました。
ご主人の番の時は、小生とご主人との世間話の合間に時々話し掛けてくる
程度なのですが、奥様の番となると少々変わってまいります。
奥様の番の場合は、対照的に奥様とのそれほど多くない世間話を遮るように
無理やり小生に話し掛けてくるのです。最初は気のせいかと思って
おりましたが、うまく遮れないと

「ママは寝てればいいの!」
と言ったりされます。ある時は、施術終了後に、O様の次の連休のお出かけ先を
小生がよく知っていたので、聞かれたおすすめの場所を説明して奥様が
喜んでくださっていたら、

「もう終わったんだから帰ったら?」
とほっぺたを膨らませてプンプンしています。
横で見ていたご主人は娘さんに向かって
「なんだお前、やきもち焼いてんのか?」

と娘さんをからかいます。
「うるさーーーい!もうパパもママもみんな嫌い!」
と不貞腐れてしまいました。
大人は全員苦笑いです。
ご主人がおっしゃるのには、小生が初めて伺う少し前位から、
娘さんは何かと奥様に張り合うようになったとのことで、
よく来る配達員さんにも似たような事があるとの事でした。
こんな事が続いていましたが、御贔屓にしていただき、年が明け、
都会にもときおり雪が降ってくる時期となりました。
2月14日バレンタインデー
当日周辺は、お客様からもいくつかの義理チョコをいただき、
甘党の小生には大変にありがたい日でございます。
その日も14日の数日前だったと記憶しております。
いつものように御夫婦に施術をさせていただきました。
お二人とも終了して帰り支度をしておりましたら、奥様が
「いつもありがとうございます。」
とおっしゃいながら、おしゃれな包み紙に包まれたチョコレートを
下さいました。
「こちらこそ御贔屓にしていただいているのにお気遣いいただいて
申し訳ございません。」
と言い終わるかどうかの所に、駆け足でどこかから戻ってきた
娘さんが
「あーーー!なんであたしより先に渡すのーー(怒)!」
かわいらしい手にチョコレートを抱えて怒っております。
いつもはここで大人一同苦笑いなのですが、この日は
奥様も

「〇×ちゃんがグズグズしてるからでしょ?」
とやり返しております。
小生が娘さんの頭を撫でてから、「高い高い」したあと
「ありがとうね」
と言ったら娘さんの機嫌は戻って笑顔になって下さいました。
しかし、今度は奥様の表情が面白くなさそうに・・・(焦)

若いイケメン相手ならまだしも、熟年おじさんの小生にこんな事は
滅多に見られる事ではございません。ただただ驚いていると、
ご主人は苦笑いしながら奥様に

「お前まで張り合ってどうするんだよ。」
とおっしゃっいました。奥様は

「だって、この子いつもこうなのよ・・・」
ご主人が冷静でこの程度で動じる方でなかったのが幸いでした。
中にはそうでない方もいらっしゃいますので・・・
女性の最初のライバルは母親
という事を勉強させていただきました。

※ここまでお読みいただきまして、誠にありがとうございます。
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