第三十三話 相手がいて初めてやれる (岐阜県愛知県編 8/12編)~偶然は神様がくれたボール 運命は女神とのキャッチボール~全国47都道府県ツアーから得たこと
第三十三話 相手がいて初めてやれる
福井県敦賀市⇒岐阜県大垣市編⇒愛知県名古屋市編
前回までの補正移動距離 7962.9km
区間移動距離 125.8km
概算総移動距離 8088.7km
≪福井県敦賀市⇒岐阜県大垣市≫
8月12日 AM10:00
敦賀から名古屋、岐阜方面へは、北陸本線で米原に向かい、東海道線に乗って行くルートが一般的である。
俺も、北陸本線の特急しらさぎ号に乗って滋賀県の米原駅まで行き、東海道線に乗り換
えて、岐阜県の大垣に向かった。
移動しながら、色々なことを考える。
戦国の世で、運命を分けた関ヶ原。伊吹山が見える車窓から、岐阜では、どんな話がで
きるのかなと考える。
まだ見ぬ誰かに、希望を寄せながら。
≪岐阜県大垣市 大垣駅≫
8月12日 PM0:30
米原から来た列車は、定刻通り大垣駅に着いた。
大垣駅を出て、コーヒーを飲む。
軽くストレッチをして歩いた先に、カバンをもった女の子がいた。
俺は、声を掛けてみた。
『こんにちわ』
こんにちわの瞬間に、少し怪訝な顔をされる。
続けて、全国1周していることを話した。
怪訝な表情から、少し笑顔もこぼれ、実家に帰る途中であることを教えてくれた。
『実家は嶺南なの?』
偶然にも、俺が今日やってきた方向に、彼女は帰省するという。
そこで、地元を離れて、その学校を選んだのか聴いた。
「オープンキャンパスで、良さそうな雰囲気で、それでこの学校を選びました。実際に
この学校を選んで良かったと思います」
彼女は、笑顔でこう答えてくれた。
そして俺は、この旅ではすっかり恒例となった
『もしよかったら、写真を撮ってもいいですか?』
と聴いた。
「時間ないですけど、大丈夫ですか?」
はい
チーズ
パチリ
『また、いつか』という言葉で、会釈をして別れた。
さぁ名古屋に行こう。
俺は、ゆっくりと名古屋に向かった。
≪愛知県名古屋市 栄≫
8月12日 PM5:00
俺が、数年来御世話になっている方が居る。
その方から、食事に誘われ、名古屋市の栄で待ち合わせをした。
そして、素晴らしいお店に連れて行ってもらった。
そのお店で、厨房にいた職人さんが、言ったコトバ
「美味しいモノを美味しく出すことは、難しいんです」
毎日、毎日様々なお客様が店にやってくる。
多くは、お店に様々な期待を持ってお越しになる。
だからこそ、言葉の重みに、様々なことを考える。
そしてお世話になっている方からもコトバを頂いた。
「引き立てる相手がいなければ、スターはスターじゃない」
俺は、この旅を通じて、≪引き立てる≫ということを少しづつ意識してきた。
相手がいなければ、どんな素晴らしいものであっても、意味を為さない。
そして、食事を終え、お世話になっている方にお礼を述べ
『また写真撮りに行ってきます』
と言った。
名古屋駅、旅する人はまだまだいるだろう。俺はそう思った。
≪愛知県名古屋市 名古屋駅≫
8月12日 PM8:00
名古屋駅、さぁ行くぞと思ったら、素敵な女の子が通る。
お買いもの帰りの岐阜県から来た女の子。
『全国回って、女の子の写真を撮っているんですけど』
と伝えると、
「あたしでいいんですか?」
と、
『むしろお願いします』
はい
チーズ
パチリ
お帰り途中だったので、会釈をして、今度は、名古屋駅の高速バスの停留所へ向かう。
深夜高速バスも多く、様々な方面へ向かう旅行客で混んでいる。
そこに、ディズニーのお揃いの服を着た大学生が通りかかった。
俺と同じカメラを持っている。
『あっ俺と同じカメラ。もしよかったら、写真撮らせてもらえませんか?』
「時間ないですけど、大丈夫ですか?」
『すぐに、撮ります はいチーズ』
結構無茶ではあるが、それでも飛び込んでいくこと
これが、ミライへのキッカケになるかもしれない。
改めてお礼を述べ、旅の無事を祈った。
これで、終りにするかと思っていた時に、山陰方面へ帰省する女の子が通りかかった。
『帰省ですか?』
「はい。島根の方まで」
『俺も来週島根にいくんですよ。今全国1周中なんです。あっ美人さんを写真で撮っているんですけども……もし良ければ』
「あっ。時間とか大丈夫ですかね?」
『あっという間に終わります』
はい
チーズ
パチリ
写真を撮り終わった後、国際交流に貢献したい夢を少し聴かせてもらった。
夢の続きは、きっとどこかで聴ける。
今じゃなくとも、未来で聴ける。
明日は、8月5日に青森で知り合い、8月7日に仙台で前祝いをした、女の子と祝勝会が出来る。
そんな、コンビ結成前夜だった。
著者の日高 啓太郎さんに人生相談を申込む
著者の日高 啓太郎さんにメッセージを送る
著者の方だけが読めます