第三十六話 これが本当の最終講義(大阪府編8月15日)~偶然は神様がくれたボール 運命は女神とのキャッチボール~全国47都道府県ツアーから得たこと

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第三十六話 これが本当の最終講義

大阪府大阪市編

≪大阪府大阪市 ある寺≫

8月15日 AM7:30
 ≪2013年6月1日0時17分≫
 
 俺の親父は、息を引き取った。
 迷惑ばかりかけていた親父で、母親も俺が学生時代に離婚していた。
 だから、10数年会ってなかった。
 でも、がんの告知を受け、余命宣告を受けてから、親父もお袋も頑張った。
 生きるということを頑張った。
 今夜が峠だろうと言われた、2013年5月30日は、まだ大学生の就活指導で、大阪に帰れる余裕
もなかった。
 ようやく終わったのが2013年5月31日の18時過ぎ。
 それから、新幹線に飛び乗り、大阪に着いたのは、23時過ぎ。
 病院には、23時47分に着いた。
 病院に着いた時、親父は苦しそうにしながら、俺の帰りを待っていた。
 着くや否や、笑い、そしてそのまま20分も立たない内に息を引き取った。
 親父が亡くなって、ようやく親父の事を認め、そして、少しだけ生き様の跡を継いでみ
ようと思った。
 全国一周の旅に出ようと思ったきっかけだと思う。
 墓前に手を合わせ、これからの未来を祈る。

 『まだまだ、親父には追いつけそうにないわ。うちの若い奴を何とかいい結果でるように、助けたって』
 と、都合のいいお願いをしながら、墓前を後にした。

≪大阪府大阪市淀川区 新大阪駅≫

8月15日 AM9:45
 新大阪駅で、教え子のSayaと待ち合わせをしていた。

 しかし、早く着いたこともあり、駅の構内を散歩する。
 散歩をしていたら、旅っぽいかわいい女の子を発見した。
 『おはよーございます』
 取りあえず、元気よく挨拶をしてみた。
 「おはよーございます。江坂への行き方知ってますか?」

 その女の子はこう切り返してきた。
 『江坂?御堂筋線に乗ってやね……まぁいいわ。券売機まで連れて行くわ』
 かわいい女の子を連れて、御堂筋線の改札まで≪エスコート≫した。
 『俺は、全国一周回って……おねえさんは何年生?』
 「大学4年生なんです」
 『どっから来たの?』
 「神奈川です」
 『Same!Same!同じ同じ方面。もしよかったら、おねえさんの素敵な顔写真撮っていい?』
 「いいですよ」

 なんと朝から縁起がいい。
 ある意味奇跡は、ここでも始まっていたんだなと思う。
 『はいチーズ』


 


 

 『また、どこかでお会いできたら』
 彼女と御堂筋線の改札で会釈をし、別れた。


≪大阪府大阪市 大阪駅 喫茶店≫

8月15日 AM10:00
 彼女は、Saya 大学4回生(年生)
 旅中では、8月1日以来、2回目の指導となる。
 以前からも指導していたが、いよいよ大詰めの段階に入ってきた。
 
 出会った頃は、まだまだな部分もあったが、少しづつ持前の良さを、伝えられる様にな
っていた。
 
 今回会った瞬間に思ったのは、どこでも内々定が貰えるレベルになっているということ。
 しかし、彼女は、妥協をしない性格であったのも知っていたので、この企業を全力で取り

組ませることに、注力していた。

 旅を出発したころは、まだ一次面接の段階。
 8月1日に、大阪で指導した時は、二次面接の準備。
 そして、今日が目前に迫った最終面接の指導と準備であった。
 
 改めて、関西から東京への就職活動は、地方から首都圏への就職活動と何ら変わりない。
 関東から関東への就職活動と異なり、移動費や時間の負担が甚大で、様々な面で不安の種が生まれてくる。
 だから少しでも、フォローアップできるようにと、関東に来る度や、俺が関西に行く時
には、時間を作り、コミュニケーションを取る様に心がけていた。
 彼女にずっと言い続けてきたこと。
 『口に出せば願いは、叶うから』
 いよいよ、大詰めに入っていた。
 
 今日の講義は、大きな3つの要素を盛り込んだ。
  •  過去の選考全てを振り返れ
 説明会前、情報サイトを探索したところからスタートさせ、全てのエピソードを丁寧に
振り返らせた。どんな些細なことでも、欠落要素が無いように。
  •  社長から学んだことをまとめる
 最終試験選考を担当する社長から、≪選考活動を通じて≫学んだこと、得たこと及び全
ての動作の洗いだした上で、何が足りないか、何が充足しているかをまとめた。
  •  質問されたら、ありがとう
 社会人は、質問されたら全力で答える。仕事の世界に行けば、興味を持って聴かれるこ
との方が少ないのだ。




 『学生は、ふーんわかりませんでも構わない。分からなくても、学生だから仕方ないなで済む。社会人は、そうはいかない。答える為に、姿勢が大切だよ。これからの勉強は、評価者毎に異なる基準を持っているから、正しい答えをだすことよりも、まずは、私の答えを聴いてくださいという姿勢を持つ。それだけで、きっと認めてくれるから』


 そして、この旅を通じて、俺が学び・感じ・糧にしたことを伝えた。
 
 『俺の旅も、毎日面接されているようなものさ。でも沢山には声を掛けていないの。むしろ俺が感じたのは、声を掛ける相手は、だいたい何かしらのモノや特技がある。きっとSayaなら、0を1に出来るはず』


 そうこうしている内に、4時間が経過した。

 初めて会う企業経営をなさっている徳田さんを、この席に同席していただき、色々な示
唆に富む≪経営者≫の視点からお話を賜った。
 「大学院卒の資格で、ご飯が食べれる訳じゃない。会社を始めた当初、本当にしんどか
った。これからも、色んな課題を考えながら、一段づつ登れるように頑張るよ」
 充分すぎるほどの、密度の濃い≪個人講義≫を行いながら、彼女に≪内々定プレゼント≫を贈った。
 『内定したら、おれのやっていること手伝って。今全国で撮っている写真のヤツ』
 「まじですか?めっちゃ嬉しいです」
 僕には、こんなことしかできないけれど、少しでもテンションあがってくれればとおも
った。
 
 彼女から、後光が差すほど、キラキラ輝いていた。
 5時間に及ぶ指導が終わり、彼女と別れる。
 『お前ならいけるから。はよ内定もらって、色々手伝ってくれな。ということで、これ
お前への≪最終講義≫だから』
 そうこれで、≪最終講義≫
 受からなかったらという仮定の話は、後で考えればいい。
 今出来る事は、俺が、≪お前ならいけるから≫という言葉によって、勇気が出てくれれ
ばそんな思いだった。

 今回のStoryの写真は、Sayaが撮ったもの。

 彼女が、ナフキンに書いた言葉が、胸に熱いものをこみ上げさせる。


≪大阪市福島区 野田駅近く≫

8月15日PM7:00
 その夜、父の葬儀に参列していただいたり、様々な面でご指導いただいている方と、お
酒を飲む。
 色んな話を聴かせていただいた。
 そして、俺からの提案や話は、まだまだ不十分、不完全だなと感じた。
 そしてこの日は、夜遅くまで飲んだ。

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