第四十三話 それは、ホームではじまった(山口県広島県編8月22日)~偶然は神様がくれたボール 運命は女神とのキャッチボール~全国47都道府県ツアーから得たこと

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第四十三話 それは、ホームではじまった


前回までの補正移動距離 10111.3km
区間移動距離 162km
概算総移動距離 10273.3km
広島県広島市⇔山口県岩国市編

≪広島県広島市 広島駅≫

8月22日 PM4:00
 この日は、朝から仕事を進めていた。
 間もなく旅も終わる。
 終わったら、すぐ仕事の日々になる。
 既に、仕事の準備をしておかなければならない時期に来ていた。
 打ち合わせ、メールでの報告、FAX送信
 いよいよ旅の終わりを感じるそんな日でもあった。
 ようやく、落ちついて移動できる様になったのが、夕方4時
 広島駅に向かい、女の子に声を掛ける。
 美容系の専門学校に通い、帰る途中だと言う。
 『なんで、その進路を選んだの?』
 「行きつけの美容院の美容師さんにあこがれて」
 『まじか。美容師さんになってからの夢は?』
 「友達を可愛くしたいこと!!」
 『さすが。じゃあそんな素敵な表情を写真で撮らせてくださいな』
 「いいよー」
 『はいチーズ』

 

 

 『ありがとう。またどこかで俺も可愛くしてね』
 「うけるわ。はーい」
 会釈をして別れた。
 だんだん、≪また会えたら≫の言葉が、バージョンアップしていくのが分かった。
 さて、山口県に行かねば。
 俺は、山陽本線のホームに向かった。
 取りあえず、岩国まで。
 ダメなら、どんどん下って行こうと思った。

≪山口県岩国市 岩国駅≫

8月22日 PM6:30
 広島から岩国まで、山陽本線の各駅停車で下って行く。
 ふう時間も結構厳しいかな。
 取りあえず、行けるとこまで行って、戻れるところで戻ろう。
 今なら、新山口までならいける。
 そんなことを想いながら、列車を降りた。
 駅のホームにて、ちょこんと座った帽子をかぶった女の子と目が合った。
 
 『こんばんわ』
 「こんばんわ」
 
 なんだろう、この空気感は。咄嗟に出たコトバが
 『どこに行かれるんですか?』
 怪しさ満点だよなと思いつつ、彼女はこう切り返してくれた。
 「友達と遊びに行ってからの帰りなんです」
 『じゃあもう少し電車に乗るの?』
 「はい」
 『俺は、全国一周していて、今日はある意味あての無い旅かな』
 「すごいですね。それも」
 『でしょ。じゃあ写真撮っていい』
 「はいはーい」
 『はいチーズ』


 ホームの上で色々立ち話をして、
 『じゃあもう少しお話するか』
 「いいですね」
 そんな感じで、下関行の列車に乗り込んだ。

≪列車内≫

8月22日 PM7:00
 列車では、色んなお話を聴いた。
 「高校時代で利用していた時は…」
 「旅っていいですよね」

 「今日は宮島に遊びに行って」
 「大学は、福岡なんです」
 結構距離があるのだが、あっという間に着いた。
 「また、会いたいです」
 『会いたいですな』
 「あっ、ディズニー行くときは連絡しますね」
 「今度は、ゆっくり山口を楽しんでください」


 そんな素敵な言葉に、元気になった。
 広島から結構距離もあるが、帰りは、色々なことを思い出しながら帰った。

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