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13/9/16

第四十六話ありがとうございましたは、俺のセリフだよ 岡山県大阪府編(8月25日)~偶然は神様がくれたボール 運命は女神とのキャッチボール~全国47都道府県ツアーから得たこと

Image by Olia Gozha

第四十六話

ありがとうございましたは、俺のセリフだよ

岡山県岡山市⇒大阪府高槻市編

前回までの補正移動距離 13114.4km
区間移動距離 215.1km
概算総移動距離 13329.5km

≪岡山県岡山市 岡山駅近くの喫茶店≫

8月25日 AM 9:00

 事前に、告知はしていたものの、告知不足な面は否めなかった。

 だから、8月16日に声を掛けて告知と、様々なフォローがありますよと、事前に動き回っていた。


 「午後は、研究室があるので行けないのですが、午前中なら空いてます」


 そんな、工業系男子学生の声に、俺は動いた。


 『なら、午前中喫茶店で、やりませんか?』

 就活支援系の話をじっくりやれる。

 キャリア支援・教育と就活支援は、似ている領域にいるが、目的が異なる為、別物と

俺は、解釈している。

 就活支援とは、就職活動全体論を教育やメンタリング、カウンセリング、情報システ

ムなど活動を指し、その後の働くという部分で、何を活動の成果として担保できるかが

重要となる。

 全てをごちゃまぜにした、キャリア論ではなく、就活事前教育と就活中の教育、そし

て卒業までの内定後教育が存在し、それぞれインプットだけでなく、アウトプットでど

うなったかを、評価することで、本当の意味で、支援できたのかが明らかになると考え

る。

 俺の研究によれば、学生が求めるのは、就活中の教育や効果(内定に直結する授業や

演習・トレーニング・経験と成果)であり、企業側が求めるのは、内定後から入社し、部署

に配属されるまでに、どう成長していくかであると考える。

 その全体像から、就活事前教育(職業教育)のスタンスで、今日は、お話を聴いた。


 「今の大学から、大学院に行きたいんです」

 『その理由は』


 なぜその理由を尋ねたか、それは、答えを出すことが、大事なのではなく、考えること・き

っかけを、見つけることにほかならなかった。

 

 「なんとなくなんですけど」

 分かる。痛いほどわかる。笑顔でこう返した。

 『じゃあ、いつ頃から大学院に行こうと思ったの』

 「いつぐらいだろう。前期の頃だったと思います」

 『大学院生に対してのイメージってどんなものだろう?』

 ゆっくり、時間をかけて、その場で文字や図を書きながら、示していった。

 
『学部よりも、大学院の方が、より就職先に近くなる専攻をやると思うのね。どういった仕事に就いてみたいかな』

 
 これも、理系であれば、研究室によって様々な進路が存在する。

 教員が勧めるところもあるし、よりやりたい事を、研究を通じて実践できる可能性があ

る。研究室選択や研究テーマを決めることも含めて、全ては、本人次第だが、自律性の高

さが大学院の良い所であると考える。

 

 良い面・悪い面を含めて、初めて俺は伝えた。

 『○○すべき論も大事だけども、今の社会構造を見ると、○でも△でもどちらでもがん

ばる的な部分は、必要かなとおもうね。幅を自由に持たせてあげる。だから事前に計画を立てておく的な感じかな』

 これを話していて、俺も反省すべきところは多々ある。

 
 学者として生きるには、どうするか?

 専任でやるか、経営者兼任でやるか、それとも学者という道を諦めるか。

 
 この旅で常に問いを立ててきた。

 答えは、まだ見つかっていない。


 「なぜ、どうしてって本当に大事ですね」

 『そうなのよ。俺なんて30歳過ぎてから大事だって知ったけど、なんとか生きているんだから、焦らずに。じっくり悩むこともまた大事だよ。』

 
「ありがとうございます。」

 『いえいえ。こちらこそ、大事な時間をいただいてありがとうね』

「また相談させてください。」

 『全然ウエルカムですよ。またお話聴かせてください』

 
固い握手をして、会釈して別れた。

≪岡山県岡山市岡山駅 ロータリー≫

8月25日 AM11:30

 必死に勉強をしながら歩いている女の子の姿があった。

 『こんにちわ。大学生?』

 「こんにちわ。浪人しているんです。東京の大学に行きたいんで」

 今の時代の浪人生は、余程の覚悟が必要。

 全入時代の予備校生は、大学に入る目的が固まっている人が多い。

 『なんで、また東京の大学なの』

 「就職のことを考えていまして、」

 就職のこと、もう、高校生の世代まで来ている。

 そして、地元就職ではなく、関東圏での就職を希望している。

 

 『そう言えば、一日何時間位勉強するの?』

 「8時間から12時間位ですね」

 未来へ切り拓こうとするエネルギーを強く感じた。

 『もしよかったら、写真撮ってもいいですか』

 「はい。お願いします」

 


 『無事に志望校に受かって、また会えることを』

 「受かるように頑張りますね」

 『時間作ってくれてありがとうございました』

 夏休みも返上で頑張る彼女に全力で、エールを贈った。

≪岡山県岡山市岡山駅 とある食堂≫

8月25日 PM0:30

 岡山で、応援していただいてもらっているマツヤマさんと、岡山駅で待ち合わせをし、昼

のランチを食べる。

 『正直、今日の入りはゼロだと思います』

 「反応ないですか」

 『ぶっちゃけ、厳しいですね』

 正直厳しいという見解は、移動中でも思っていた。

 『今後、どういう形で進めて行くかも含めて、考えて行かなければいけません』

 あいつは変わってるな

 それで、やる時期ではもうない。

 すでに、過去結果や実績は出してきている。

 俺の中でこの全国ツアーで、結果が出せないならツアーで、全て終わりにするつもりであった。

 だからこそ、継続するのであれば、俺自身が納得できる理由も必要だった。

 必要とされる時期まで、力を蓄えなければならない時期であると感じていたからこそ。

 『今後も含めて練り直します。すいません、力不足で』

 それしか、言葉がでなかった。

≪岡山県岡山市 岡山メルパルクホール≫

 

 


 予想通り、0人だった。

 マツヤマさんと色々話をした。

 合間で、マナカゼの主宰、ミナトさんが、顔を出してくれた。

 『申しわけありません』

 としか言えなかった。

 本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

≪岡山県岡山市 とある居酒屋≫

8月25日 PM5:00

 新幹線の発車まで、マツヤマさんと今後の進め方などについて熱く語った。

「時間は、掛かるかもしれないですけど、種を蒔いていきましょう」

『ガチで、よろしくお願いいたします。俺という神輿を担いでください』

 土下座でも、何でもする。

 だから、この場を新たな創造の場所にしたい。

 俺自身に、腹が立ち

 俺自身の、無力さに嫌気がさす。

 中々出来ない経験、≪挫折≫

 これは、いつか来てくれるであろう学生さんそして社会人に、心の底から、伝えられ、その分エールが贈れる≪経験≫である。

『この経験が、未来に絶対生かします』

「その意気込みを、悔しさを忘れないようにしましょう。俺も頑張ります」

『ありがとうございます。本当にありがとうございます』

「いえいえ、こちらこそ、ありがとうございます。無事に旅を完遂させてください」

 固い握手をして、悔しさと絶対次は、満員にして魅了させてやるという想いをもって、

岡山から大阪へ向かった。

≪大阪府高槻市 ある公園≫

8月25日 PM9:20

 8月15日に父の話をしたが、知人・友人も身よりもない父の葬儀・通夜に来る人もほとん

どいない中、シバタさんは、一家で通夜に来ていただいた。

 前々から、常に気にかけていただき、そんな義理と人情の人生の先輩。

 どうしても、お礼とご報告がしたくて、町内のお祭りで忙しい中お伺いさせていただいた。

 嬉しいことにシバタさんの娘さんは、俺に写真を撮られたいと楽しみにしていたという。

 そして、シバタさんに再会した。

 「王子お疲れな。わざわざ遠くまでありがとうな」

 『いえいえ。すいませんこんな遅くに』

 「写真撮ってもらうのを、娘がたのしみにしとんねん」

 『えっ、そうなんですか』

 嬉しかった。

 そして、シバタさんとお祭り会場の公園へ出かけて行った。

 「こんばんわ」とシバタさんの娘さんが、笑顔で挨拶してくれた。

 『こんばんわ。元気にしてましたか』

 「はい。とっても元気にしてました」

 『よろしい。そしたらおっちゃんが、みんなを撮ってあげるわ』

  娘さんのいとこや娘さんのお友達を一人一人撮る。

 『よっしゃ次は、自分やで。ハイチーズ』

 

 

 


お父さんのシバタさんが、笑みを浮かべる。

『お父さんも一緒に入って』

「まじかよ。」

  

笑みと照れの二面を持ったシバタパパを煽る

『このカメラは、すごいねんで。親子で撮ったら、家内安全、健康祈願、幸せイッパイ

ときたもんだ』

娘さんは、それを聴いて

 「すごーい」

と言ってくれる。なんてイイ子や。

『ありがとうございました』

「王子わざわざ遠いところありがとうな。気を付けてな」

 娘さんも、

 「ありがとうございました。またよろしくお願いします」

 と言ってくれた。

 帰り道、途中までシバタさんに送ってもらい、

 「ここが、正念場やで」

 と熱いエールをいただいた。

≪大阪府高槻市 阪急高槻市駅≫

8月25日 PM22:40

 阪急電車に乗って、梅田まで移動しよう。

 阪急高槻市駅そばの路上で、一人の高校生と話す機会があった。

「受験勉強をバッチリしようと思ったのに、ツレが来て出来なかった」

 その女の子は、俺にそんな事を言ってくれた。

 俺も

『就活セミナーを全国でやろうと思ったけど、全然出来なかった』

 と言った。

 その女の子は、

「今から、私にやったらどうなん?」

 と言ってくれた。

『マジか。ほいじゃ、どういう夢があるねん。良かったら聴かせてくださいな』

 そこから、≪セミナー≫は始まった。

1時間近く、夢・行きたい大学・活躍したい場所・人間関係色んな事を聴いた。

「先生、これって立派な≪セミナー≫やで。こんなに親身になってくれへんもん」

『今なんて言ってくれた?』

「先生。ヒダカ先生」

『おおきに。ありがとう。』

 頭を思いっきり下げた。

「先生、いつかまた、いつか教えて。頑張ってください」

『おう、お前は立派な教え子や。』

 いつしか、『また会おう』の言葉は、俺からじゃなくて、出会った人から言われるよう

になっていた。

「ほな、先生気を付けて、旅を続けてください」


「もちろんやん」

 阿吽の呼吸になっていた。

 ありがとうを言うのは、こちらだよ。

 

 旅も残り5日、全力で走ったら、こんなことになっていた。

『ありがとう本当にありがとう。もうちょっとやってみるよ。』

 

 声なき声で、頭を下げ握手した。

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