第五十話 最後の最後まで諦めんな 群馬県長野県山梨県編(8月29日)~偶然は神様がくれたボール 運命は女神とのキャッチボール~全国47都道府県ツアーから得たこと

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第五十話 最後の最後まで諦めんな

埼玉県さいたま市⇒群馬県高崎市⇒長野県松本市⇒山梨県山梨市

≪埼玉県のあるサービスエリア≫

8月29日 AM7:30
 泣いても笑っても、今日が長距離移動は最後。
 だから、うちに帰ったら間に合わない。
 このまま車で、行こう。
 そう思い、外環から、群馬、長野、山梨と回ろうと考えた。
 しかし、一つやり残した用事があったから、新潟県境まで行かなければならなかった。

≪関越自動車道にて≫

8月29日 AM10:00
 Youtubeを通して、樋口了一さんの≪1/6の夢旅人2002≫が流れる。
 とめどなく涙があふれた。
 しんどいからでも、悔しいからでもない。
 旅が終わる寂しさの様なものがあった。
 
 それを、Facebookに書いたら、高知で撮影した女の子からメッセージが届いた。
「何で、大泣きしたのですか?私は、それを卒業研究でやってます」と
『卒論で協力できることがあればいってください。アンケートでもインタビューでもき
ちんと答えます』
 このことは、旅が終わった後日、協力することになった。
 なぜ涙がでてきたのか?
 悔しいとか悲しいとかではない。
 ただ、≪祭りの終わり≫の寂しさはあった。
 そして、俺はやり残した用事を済ませ、群馬県高崎市に向かった。

≪群馬県高崎市 高崎駅≫

8月29日 PM15:00
 高崎駅に到着した俺は、アパレル系っぽい女の子に声を掛けた。
『どうも、全国一周して、美女を撮影している……』
 もういつものくだりだ。
『ちなみに何屋さんなんですか』
「そこの店で、ショップの店員やってます」
『ちなみに、おいくつ?』
「17歳です」
『見えねぇ。いやいや変な意味じゃなくて』
 そんな会話をする。
 意外とアパレルは、肉体労働だということを教えてもらう。
『さて、、、写真を撮ってもいいですかね』
「いいよいいよ」
『はいチーズ』


『ありがとうございます。また、お会い出来たらと』
「この旅がどうなったか、教えてくださいね」
 彼女はお店という≪職場≫に、俺も車の運転という≪職場≫に戻っていった。
 

 ブティックビルの反対側に車を止めていたため、駅の反対側に歩いて戻る途中に、二人
組のおしゃれな女の子達に会う。
『どうも、この辺で美人さんが集まるところってどこにありますか?あーここか』
 なんとも、あれなアプローチだったが、お話をしたかった。
「私達、地元じゃないんです。身内に子どもが出来たので……」
『えっ、お二人はお友達じゃないの?』
「姉妹なんです」
『えーー美人姉妹。旅をしていて初めてだ』
 ここで、改めてこの旅の説明を簡単にした上で、
『あと1日でこの旅も終わってしまうんですけども、もし良かったら写真を撮らせてもら
えませんか』
「全然かまいませんよ」
 快諾が得られた。
 旅の終わりに向けて、少しづつ奇跡のパズルが繋がってきた。
『はいチーズ』




「次は、どこなんですか?」

『長野県の松本市です。約3時間ほど掛かります』
「気を付けて行かれてくださいね」
「御無事でゴールされますように」
『ありがとうございます。再び美人姉妹に会えることを俺も祈ってます』
「あたしが務める喫茶店に来れば、もっと綺麗な女の子がイッパイいますよ」
『おねぃさんじゃなければ、ダメなんです。まぁ冗談はさておいて、本当にありがとう
ございました』

 会釈をして、駐車場まで、全速力で走っていった。
 もう時間が足りない。

≪長野県松本市 松本駅≫

8月29日 PM20:00
 松本に着いて、約40分
 人がやはり少ない。
 時間が遅かったか……
 でも焦らずに行こう。
 これが、最後なんだから
 遠征系は今日が、本当に最後なんだから
 そんな時、一人の可愛い女の子が目の前を通った。
 何かの閃きがあった。
写真云々じゃなくて、何を目指している人か聴いてみようと。
『こんばんわ。42日間掛けて、全国一周を回り、色んなことを聴いて回ってるんですけども、おねぇさんは、何を目指している方なんですか?』
「カフェで、調理する仕事に就きたくて、調理師の専門学校に行ってます」
『凄い。お料理上手なんだ』
「好きなだけで、毎日お勉強しています」
『カフェで、お料理のお仕事。素晴らしい夢だよね。カフェのお料理から夢を紡げるこ
とは素敵だ』
「ありがとうございます」
『さてさて、全国一周回って、写真も撮っているんですけど、もし良かったら撮らせて
もらってもいいですか』
「うーん、どうしよー」
『じゃあこうしましょう。写真を撮って下手くそだったら、撮らせないということで』
『はいチーズ』


『こんな感じになりました』

「これなら大丈夫ですね」


『ありがとうございます。今度は、お料理を食べさせてくださいな。いつの日か、理想
のカフェで』
「ありがとうございます。頑張ってくださいね」
 彼女は、この出会いの後、色んなこと、学びを教えてくれる。
 そして、この物語を書きだしたときから、早く出てこないかと、楽しみにしていると聴
いた。
 旅の終わりの方だが、そこから始まった物語もある。
 そして、会釈をして、山梨県甲府市に向かった。
 着くのは、多分PM11時過ぎ。
 
 もう不安はない。
 これで、車での移動系は最後なのだから
 

≪山梨県甲府市 甲府駅付近の路上≫

8月29日 PM11:20
 中央自動車道をひた走り、山梨県甲府市の甲府駅に着いた。
 この時には、何かわからない自信にあふれていた。
 そんな時に、素敵な女の子と目が合った。
『こんばんわ。全国ツアーをしながら、女の子を撮影して歩いている……』
 もう、この言葉だった。
「凄く面白いコトやってません?」
 そんな反応に、思わずガッツポーズした。
『そうなんです。いよいよ神奈川、埼玉、千葉を残すだけの、明日が最終日となってしまいました』
「撮影するならいい場所があるんです。行きましょ」
『はい。喜んで』
 奇跡とは、まさにこういう事だ。
 少しづつ積み重ねてきたものが、今カタチになって現れる。
 彼女が、教えてくれた場所は、甲府を代表する場所だった。
 しかし、この時間帯は、照明も消えていて、≪甲府らしさ≫は出せない。
 通りかかった古民家カフェで、撮影することを聴いてみた。
「じゃあそこで撮りましょう」
『はいチーズ』



『ありがとうございます。ぜひまたいつか』
「写真展やるなら、教えてくださいね」

 そう。
 僕は、この旅の途中で写真展を開催することを決めていた。
 感謝の気持ちをどうやってあらわすか
 拙い文章でダラダラ伝えるよりも、≪タイトル≫とストーリーを見に来ていただいた方
々に伝えていきたいと。
 そして、埼玉の浦和に向かおうと思っていたが、到着予定が2時になり、多分困難にな
ると判断し、自宅に帰った。

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第五十一話 これがホントの最終講義 16,000kmの先に見えたもの 神奈川県さいたま県千葉県編(8月30日)~偶然は神様がくれたボール 運命は女神とのキャッチボール~全国47都道府県ツアーから得たこと

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