社長が逮捕されて上場廃止になっても会社はつぶれず、意志は継続するという話(1)
※諸説、色々あると思いますが、1平社員の目から見たお話として御覧ください。
(2014/8/20 宝島社より書籍化されました!ありがとうございます)
それはテレビの中の出来事ではなかった・・・
あれは、2006年1月。当時、六本木ヒルズの38Fにて、携帯サイト(今で言うガラケー)のWebディレクターをやっていたときだった。自分の年齢は33歳だった。
いつもどおりにお昼を食べ終わった15時くらいだったろうか。1通のメールが自分の携帯に届く・・・
は??何がだ?地震でもあったろうか。。何かの間違いかと思い、気を取り直して仕事を続けていると、またすぐにメールが着信、、、
全然関係のない2名からのメール。これはもはや偶然とは考えにくい。。。
そのうちニュース報道部門(ライブドアニュース。事件後に解体)の方にはテレビが置いてあったのだが、にわかにそこがざわついたと思うのもつかの間、広報の乙部さん(秘書ではない)が何やら叫びながら入ってきたような気がした。
ライブドア事件が起きた瞬間だった。
バイバイヒルズ
事件前、ホリエモンはメディアに出演することがどんどん多くなり、「ヒルズ族」なんて言葉も飛び交っていたが、社員の実態は寝袋でサービス開発のために日夜寝泊まりしているような、そんな状況だった。連結社員数が2700人程度にまで膨れ上がっていても、まだまだ現場主義を貫いたベンチャーな状態だったといえば聞こえは良いのだが。
事件が起きた時に正直な気持ちは?と聞かれれば、実は「ホッとした」という気持ちが半分、「やっぱりな」という気持ちが半分だった。悔しいという気持ちもなくはなかったのだが、会社も社員も事業も、相当無理をしてきていたため、何か良からぬことが起きるのではないか、と薄々感じていた。そしてこのペースを続けていくのは色々もう限界だった。
ただ、それが「不正を働いた」というイージーな結末で片付けられてしまうのは信じられなかった。何か踏み入れてはいけない世界へ入ってしまい、結果、はめられたのではないか。今でもその気持は変わっていない。
もちろん世間の目は冷たかったのだが、自分の知る限り、仕事をやっていた同僚・仲間の中に後ろめたいことをやっていた奴は知らないし、なにより、livedoorのポータルサイトはじめ、Blogなどのサービスが好きで使ってくれているユーザのために、サービスを、サイトを、会社を、継続させていかなければいけない。
経営者をなくした後、その会社のDNAが試されているような気がした。
事件から1年半後の2007年7月、livedoorは六本木ヒルズから、赤坂ツインタワーへオフィスを移すことになる。
【お知らせ】このストーリーに大幅に加筆修正した書籍が、2014年8月20日、STORYS.JP書籍化第3弾として宝島社から発売されました!
単行本: 254ページ
出版社: 宝島社 (2014/8/20)
言語: 日本語
ISBN-10: 4800226678
ISBN-13: 978-4800226679
Amazonの注文ページはこちらから
楽天ブックスの注文ページはこちらから
著者の小林 佳徳さんに人生相談を申込む
著者の小林 佳徳さんにメッセージを送る
著者の方だけが読めます