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13/11/30

何の取り柄もない自分が、グラフィックデザインで独立するまでのお話し。「第四話 〜専門学校時代〜」

Image by Olia Gozha

学んだことは、てめぇ次第。


専門学校に入学し、私を待ち受けていたものは。湧き出るアイデアワークか。頭の中のビジュアルを形にするノウハウか。とんでもない。それは、“挫折” だった。挫折の連続。専門学校は、これから色々と学びたい!と心に決めた人が集まってくる場所で、入学者は素人同然だと思い込んでいた。しかし、周りを見渡すと、はなっからイラストが皆うまいうまい。


なんじゃそら。私のクラスは30程の人数で、男女比率はだいたい1:5。ポコチンのついた側からすると羨ましい環境だと感じるかもしれないが、それは、上手なイラストが描けて、上手に女性を扱える人のお話し。何も備えていない私からすると、なにも身につけてない状態、ひのきの棒だけで立たされているようなもので、まさに、はずかしいっ。

挫折ばっかり感じて凹んでもいられないので、デッサンやアクリルガッシュで構成・色彩の基礎をつけていく。唯一あった、グラフィックデザインの授業。広告制作。一番はじめは、牛乳の雑誌広告をつくりましょう。

イラストレーションと通じるところがあれど、リサーチ → アイデア・コンセプト → ラフスケッチ → 素材収集・実施制作 → プレゼンテーション…というデザイン特有の流れを体感する。その後も、週に1〜2回あるデザインの授業を何度か受けていく内に、アレ?…これは…ひょっとして…デザインの方が楽しい…ってヤツ??…でしょうか??…と自問自答。

大学を卒業し、専門学校2年目。入学当初はりきっていた「イラストレーターになる」は、今や「グラフィックデザイナーになる」になっていた。方向転換を行い、大学卒業後や退職後の入学対象者(もう後がない人向け)の集中型選択授業を取る。その名をキャリアクラス、という。



入学してから常に感じていたこと。周囲のモチベーションの低さだ。男女がペチャクチャと楽しそうだなと話しながら、課題に取り組む姿を見ては、デザインをなんだと思っているんだ…とわかりもしない怒りを感じつつ、こちらには話す相手さえいないことを悟られないよう、音の出ていないiPodを耳にぶっ刺し、作品にシコシコと向かっていた。

卒業制作。そんな状況の中にいたから、シコシコ卒制は間違いなく(学校内の)賞に入るだろう、という見込み間違いをおかし、全滅。同時期に、恋心を寄せていた女の子が、自分の親友のことを好きになり、つき合い、さらにその親友が賞を取る。最後の最後。卒業直前に大きな挫折を味わったのだ。

真冬の夜。亀戸。上記の告白を女の子から聞かされた。申し訳なさそうに伝えてくれた。あいもかわらず、かわいらしい。ちくしょう。電車がないから、国道沿いを笹塚まで歩いて帰る。寒いのと眠いのとで途中、新宿で力尽き、ローソンの横で体育座りで30分寝ちゃった!でも就職活動はちゃんとやってたから、千駄木にあるデザイン事務所に入社できたよ!


専門学校。10年近く立った今、現役でデザイナー・イラストレーターとして活躍しているのは、同期の中のほんの一握り。教育環境うんぬんという声があれど、生き残っている人がいる、という事実。何事もてめぇ次第、ということなのだろう。それはさておき、意気揚々と「グラフィックデザイナーを名乗れる!」と入った一発目の会社。ととととんでもない現場を、いいいいきなり目の当たりにするのであったたたたたたた。


… 「第五話 〜会社時代・前編〜 」 へ続く …

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Image by Jukka Aalho

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