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僕はどうしていいのかもわからなかった。
彼は車に入ったまま、出ても来ない。
助けを求めるにも、誰も通りがかる事もなく時間だけが過ぎた。
しかし、遠くから1台の車が向かってくるのが見えた。
僕は急いで車道へと飛び出し、止まるように両手を差し出した。
車は止まってくれ、その後、僕の車の横に自分の車を移動してくれた。
僕はその方へ、手についた血を見せ、助けてほしいとお願いするも、僕を刺した男も、窓を開け運転手に助けを求めていた。
「助けてくれ!!僕は刺されたんだ!!」
「違う!俺がやられそうなんだ!助けてくれ!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」

「俺、死ぬんじゃないかな・・・・・」


あわてた店員が近寄ってきてくれたので、僕は刺されている状況と、行きが出来ない事を懸命に伝えた。
このあとからの記憶があいまいで、意識が戻ったりなくなったりの繰り返し。
気がつくと、救急隊員が僕を抱きかかえており、何かを懸命に話していた。
救急隊員が、僕の左胸骨のあたりを探った後、長くでかい針を突き刺し、バルブを開けるようにしぐさをすると、急に息苦しさがなくなった。
刺された事で、左肺が気胸を起こしていたようだ。
楽になったになった僕は、救急車に乗せられセディナの街へ運ばれた。

セディナの街で、処置を受けすこし更に少し楽になった僕は、アデレードの病院へ運ばれることになった。
時々意識があり、飛行機の小窓から見えたアデレードの街が光り輝くようすがとてもきれいだったことを覚えている。
再び意識が遠のき、次に目が覚めた時は、薄暗い病院の病室で、点滴がまず見えた。

鼻にはカテーテルが入れられており、話は出来ない。
のどの異常な渇きがあり、遠くに見える看護士へ一生懸命に状況を「アワワ・・・アワワ」と訴えた。
看護師は、口の中を湿らせてくれ、満足した僕は、又眠りについた。
続く・・・・。
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