絵本は心の拠り所 その3

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“ただ読むだけ”の尊さ

 私は子どもたちから帰ってくる言葉を予想していた。それは,

うるさくすると先生に叱られるから
おとなしくしていると,成績をよくつけてくれるから
うるさくなると,プリント学習になってしまうから

などなどだった。なんのことはない,読書が魅力的だとは思っていなかったことが分かる。


しかし,子どもたちからの返答は,驚くべきものだった。

え?

である。そんな返事があるかと私は目をむいたが,子どもたちには理解できないようだった。

そのうち,私にも分かってきた。子どもたちは,純粋に読書を楽しんでいたのだということが。


そんなことがあるわけがない,国語の時間に全然楽しそうに読んでないじゃないか。読書感想文だって書いてこない…ここで私は思い出した。朝読書の約束で,〔してはならないこと〕とあったものの中に,《読書感想文を要求する》という項目があったことを。

ひょっとして,子どもたちから読書の楽しみを奪っているのは,読書感想文の強要なんじゃないか。そう思った私は,子どもたちに

感想文書け〜って言われないのも関係ある?

と尋ねた。子どもたちからは即座に,

うん!

という明るい返事が帰ってきた。


なんということだ! 私は読書が好きな子どもたちから,本を奪っていたのだ。ここでもうひとつ思い当たることが心に浮かんできた私は,子どもたちに再度尋ねた。

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