14.ドッターはペケロッパーだろ!の衝撃!!!!!

前話: 13.Macで仕事すればいいんじゃない?
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「ドッター」とか「ペケロッパー」といったワードはググってもらえれば分かるでしょうが、一応当時の時代背景を説明しておきましょう。

初代プレステ=CD-ROMでのゲーム供給がはじまったころ

当時ゲームといえば、初代プレステが登場したころでした(私は当時までは結構ゲーマーでした。家にはSNKのNEOGEOがあったくらいです。)
任天堂に手厚く保護されていた小さなゲーム制作会社は、この新たなハードウェアに対応するのに苦労しておりました。いままでスーファミソフトだけを作っておけば良かったのに、プレステや3DOや、はたまたセガサターンといったものにまで対応しなくてはまずいらしい、となっていたからです。
しかし、ソフトウェア不足を気にしていたプレステ(SCEですね)は、スーファミからのソフト移植を焦っていました。
プレステのポリゴン描写能力を活かした新ソフトの開発よりも、スーファミの人気タイトルをまずは移植して、ソフトウェアラインナップの確保をススメていたの時期でした。
そしてその波が小さなゲームプロダクションにも押し寄せていて、猫の手も借りたいといった状況に、なぜか、Macのスキルを活かした職を探していた私がドッターとして採用という、無理なキャリアプランの構築と相成った訳であります。

その会社にはペケロッパーが並んでいました。

そう、X68000というSHARPのパソコンです。
私にとっては、CPUがモトローラの68000系=Macと同じという以外は全くもって触ったこともない国産パソコンを目の前にとまどいましたが、これが後に国産PCの名機だと分かるまでにさほど時間はかかりませんでした。
そして、なぞの開発ツールを立ち上げて私はドット絵を書きまくるのでした。プレステのゲームでもドッターでした。
256色のパレットから8色を選び、パレット化し、そのパレットを使って、「BG(BackGroundのこと=背景)」や「スプライト(簡単に言ってしまうとBGの前で動くオブジェのことでアニメーションが可能)」のビットマップデータを作る仕事です。
もちろん1BG、1スプライトに1パレットです。最大パレット数も決まっていたので、それを意識しないとダメでした。
ぼくはこの時にプログラマーさんから、「パレットは使い回した方が良い、できるだけ軽く作ってくれ。」と指示されたのを覚えています。
例えば、昼間のBGをパレット変更するだけで夜のBGにする、といったことをプロのドッターなら何も言われなくてもヤルそうです。
いままで自宅でフルカラービデオボードを使って、32bitの写真レベルのグラフィックを作っていた私は、衝撃を受けまくりました。
そうか、
軽くてイイグラフィックを作らなくてはならない世界があるのか!
と…。

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15.ドッターからようやくデジタルクリエイターというモノへ

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