もと海外添乗員のぶっちゃけ話 その8 ガイドさんのいろいろ
ガイドさんとの待ち合わせ
到着後、入国審査〜ターンテーブル〜税関を抜けたら出口を抜けます。出口で看板を持った人たちが並んでるのをご覧になった事がある方も多いでしょう。
そこでガイドさんと顔合わせです。
ガイドさんは大きく分けて2タイプ。
到着空港から出発空港まで一緒してくれるスルーガイドと場所場所で付いてくれるスポットガイドです。基本的に発展途上国ではスルー、先進国ではスポットと分けられることが多いです。人件費と労働基準的な理由からですね。
どっちがいいかは一概に言えません。添乗員の得意不得意です。
私はスポットの方がやりやすいです。その方が旅程を自分で管理できるからです。スルーだと私もお客さんのひとりみたいになってしまうので、お客様からの評価が下がります。楽ではあるんですけど。
本当に色んなガイドさんがいます。
一番ビビったのはマカオの現地ガイドさん。日本語が完璧な人は結構いますが、あった初日にお客様の名前を完璧に覚える人は始めて会いました。
「○○さーん、このエッグタルト美味しいですよー」とか「○○さんは賭け事とかされるんですかー?」と初日から完全に名前を暗記した素晴らしい対応。完全に添乗員喰われました。存在価値がなくなってしまったので、夜遅く抜け出してカジノにヤケ遊びしに行きました。ぼろ負けましたけど。
厄介なのはトルコのガイドさん。お土産屋さん攻撃が激しいです。あの国では、お土産屋さんへいかないといけないんですが、少しでも買うそぶりを見せると店員総出で囲みます。ガイドも囲みます。彼らはキックバックの方がガイドの収入より多いので必死にならざるを得ないのもわかります。しかし、お客様を守りに行くとガイドとの関係は最悪。その後、全く仕事をしなくなります。
初添乗で一緒した現地のスポットガイドさん、翌年お会いしたら『あなた、こんなに立派になって…』って涙されました。お母さん…
あ〜、ぶっちゃけ話なので私の嫌いなタイプのガイドさんのお話も。
芸術家崩れの日本人ガイドが大嫌いです。特に北イタリアやパリに出没します。
若い頃、芸術家を志し、ヨーロッパへ。
花を咲かせる事も出来ず、かといって日本に帰るわけにもいかず、惰性でくすぶり続けているような人が、結構います。
花を咲かせる事も出来ず、かといって日本に帰るわけにもいかず、惰性でくすぶり続けているような人が、結構います。
何が嫌いって『俺はガイドじゃないんだ、芸術家なんだ。これが本当の仕事じゃないんだ』ってスタンスで仕事するんですよ。
こっちとしては、別に芸術家を雇った覚えはありません。
お金をもらってガイドとして雇われている以上、プロのガイドとして働いてほしいですね。万が一、ガイドが事故やトラブルで来れない時用に観光案内については多少予習しています。ヒドい時は帰ってもらいました。
ちょっと燃えちゃいましたが、7割くらいのガイドさんは素晴らしい方々です。多くの方が、国を好きになってもらおうという姿勢でお仕事されています。その姿を見ると私も添乗に力が入ります。
添乗員とガイドの距離感は非常に難しい所です。
お客様の中にはガイドさんといっぱい話したい人もいますが、仕事の関係上ガイドさんは添乗員とばかり話します。
逆に添乗員のファンはガイドさんと親しげにする添乗員を見て嫉妬します。
怖い怖い。
逆に添乗員のファンはガイドさんと親しげにする添乗員を見て嫉妬します。
怖い怖い。
女性添乗員の場合はガイドに口説かれたり、もっと大変そうです。ガイドが部屋に押し掛けて来たとかよく聞きます。
ところで、ご年配の方ってやたらと結婚プッシュされますよね。
お客様
あなた早く結婚しなさいよ。あのガイドさんと結婚したらいいんじゃない?いい感じだし
話が飛び過ぎです。いい感じも何も仕事の話です。
結局浮いた話もなく、海外移住しちゃいましたけどね!
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