ながたとおさだを埋めました

いつかの晩夏。早稲田の街路。私は当時、同居していた姉と、ながたとおさだを埋めました。ながたは焼いて埋めました。おさだはそのまま埋めました。ながたを焼いて埋めた時、それはとても違和感で、おさだはそのまま埋めました。ながたは缶の中で燃え、半分灰になりました。せめて共に暮らした夏の最後の弔いに、という情を覆し缶の中でながたはただの焦げた焼き魚。小さな金魚の焼き魚。熱の先にさめざめ滑稽と哀愁に微笑んじゃってごめんね。だからおさだはその先に慎んでシンプル。そのまま埋めることにしたのです。噤んで心痛みましたの形を作る口先。
なるべく「長く」一緒にいたいのよ、ながたとおさだ。
縁日の金魚の寿命は、短い。
すくう、すくわれる、すくわれない、すくわれた。
洗面器の中、ごめんね、で済まされる命。今晩のおかずは何って、鯖よ。美味いね味噌煮。

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