Rickenbackerに憧れて(2)

前編: Rickenbackerに憧れて(1)
後編: Rickenbackerに憧れて(3)
文化祭が終わった中学校3年の初冬までには、ビートルズ以外でRickenbackerを弾いているミュージシャンを沢山知るようになった。特に、友人の勧めで聞き始めたRUSHのゲディ・リーがやはり使い手であること、YesやRUSHの流れで聞き始めたジェネシスなど、プログレッシブ・ロックのベースがみなRickenbackerで驚いた。


また、自宅に入ったばかりのβビデオで録画したベストヒットUSAやPOP-StationやYoung Music Show等のテレビ番組で、マッドネスやJAMやディープ・パープルやTHE KNACKなど多彩なジャンルでベースが使われている事にも気がついた。そして、そのベースの名前がmodel4001だと言う事も知った。


Rickenbackerのベースが欲しい。当時はクロサワ楽器が輸入元だったのだが、model4001は45万円位しており、とても中高生の手が出る物ではなかった。国産メーカーからコピーモデルも沢山出ていたが、どれも高級モデル扱い*だったので、やはりなかなか手に入れる事は難しかった。


*当時はビギナー向けは4万円以下、標準モデルは5〜7万円、高級モデルは8〜10万円、10万円オーバーはプロ用と言われていた。


当時使っていた楽器は、YAMAHA FG-300、YAMAHA SG-1000、GRECO-JazzBassモデル、フレッシャーVB-300、ハートマン・ストラトタイプ。SGは中古を月賦で買ったのだが、それでも「中学生の分際で!」と良く言われた。高校に入ると、ここにイバニーズのAR550という中古ギターがやはり月賦で追加になる。


高校時代はプログレとメタルとフュージョンという、やたら技術一辺倒の音楽にのめり込んで行った。指弾きもチョッパーもピック弾きも覚えた。段々ギターを弾く頻度は下がり、ベース専門になっていった。そうなればなるほど、レコードから聴こえてくるmodel4001のブリブリしたサウンドに痺れまくった。


高校時代はひたすらいろんな曲を練習しまくっていた。違う学校の友人達とバンドを組んでいたが、練習スタジオ等を借りる財政的余裕が無かったし、長時間の練習をしたかったので、皆でバイトをした金を持ち寄って、ブタ小屋の跡地や空き家等を借りドラムやアンプ等自分たちの機材を持ち込み専用の練習場を作った。


15Wのギターアンプのボリュームを全開にしてSGをプラグインしたら、まるで外国のギタリストのような伸びのある美しい音が出た。気持ち良くリフを刻んでいると「ボツッ!」と音がしてそれっきり。まだマスターボリューム付きのアンプが無い時代、初めて体験したナチュラル・オーバー・ドライブの音だった。


そんな頃、友人等から「エレキ持ってるんだけど弾かないから買ってくれないか?」と言われる事が多くなった。幸い、実家寺院のお盆の手伝いや、交通量調査のバイト等をしていて小銭があったので、買ったギターやベースは、GRECO-LP Customモデル、ARIA PRO-II AR60Bass、Teisco-TB4等。


ある日、ラグビー部の先輩が同じように声をかけて来た。部室に持って来るというので待っていると、少し小さめのハードケースを抱えて来た。中を見るとGRECOのRickenbackerのコピーだった。本物と違い(といっても当時は本物を弾いた事が無かったが)ソリッドボディらしくズシっと重くて指盤も黒い。


これを5000円で売るという。よし買った!これでジョンのまねごとをしてみようと思った。その頃、後輩にフレッシャーのVB300(バイオリンベース)は譲った。なぜなら、他にベースが何本か手に入って使用頻度が激減していたし、ビートルズの曲はベースラインの面白い後期しか弾かなくなっていたから。

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Rickenbackerに憧れて(3)

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