母を自宅で看取り天涯孤独になった瞬間の話。④
2003年8月16日 last 25 day
最初で最後だろう母の髪を切った。
横と後ろだけだけど、長くてうっとしかった部分をカットした。
すげー褒めてくれてた。
喜んでもらえて嬉しい。
褒められて嬉しい。
小さい頃はよく切ってもらってたのに、反対になるとは。
それに一緒に花火も見れた。
ちょっとだけだけど。
これも思い出。
きっといつまでも思い出すんだろうな。
それに札幌から親戚のおばさんがやって来た。
突然なんでびびった。
俺を頼りにしてくれていて、ありがたい。
母のことで泣いてもくれた。
ずーっと同じ話を続けている祖母を説教していて、ちょっとすっきりした。
祖母を相手にするのはちょっとうんざりしてきている。
母は来客があったせいか、ちょっと体調が回復しつつあったようだ。
食事も水分は数口だが、表情は柔らかい。
2003年8月17日 last 24 day
夏のフェスも終わったのであろう。
朝方友人から電話がきてたらしいけど、でれんかった。
まだ母は自分一人でなんとかトイレに行け、風呂は時間を掛けて自力で上がってくる。
殆ど体力はないので、気力のみの所業だ。
今日は昼に、親戚のおばちゃんたちがどかどか家に来て、母にお灸をしていった。
効果の程はわからないけど、母は気持ち良いようだ。
今日来た親戚のおばちゃんにも祖母は説教されてむくれてた。
職場の看護師長と電話で話せ、「仕事のことは心配いらないよ」と言ってもらった。
申し訳ない気持ちだ。
「帰ったらまじめに働きます」って言ったら苦笑してた。
そこで苦笑ってことは、まじめに働け本当にってことか。
納得。
親も少し体調が戻り、表情は良かった。
所長さんは「家族が側にいるから安心して、体調が安定しているのよ」と話していた。
そうだと嬉しい。
夕方電話でフェスに行った友人とゆっくりおしゃべりできて久しぶりに大笑いした。
やっぱりほっとするねえ。
笑いがないと苦しくなってしまうもんな。
ありがとう、本当に。
職場のみんなも本当に良い人たちだよなぁ。
みんな優しいし、心ある言葉をかけてくれる。
さすが精神科看護師。
それだけじゃなく、一人ずつが本当に心配してくれる優しい人たちなんだろうな。
うれしいです。
幸せ者です。
ありがたいです。
今は甘えちゃいます。
これからもずっと一緒に働きたいという気持ちです。
でも、いつか旅もしたい。
全てが終わったら。
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