就活生へ捧ぐ、ベンチャー企業に入ろうしていた私が大企業に入った理由

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最近は就職活動が本格的になってきているようですね。私はリクルートという会社に勤めているのですが、ビル内でもリクルートスーツを身にまとった学生さんをたくさん見かけるようになりました。

そして同時に、学生さんから「リクルートについて話を聞かせてください!」とOB訪問のようなものを受けることが多くなりました。しかし、私はまだ26歳の新米ビジネスマンです。そう多く語れることもありませんし、良いアドバイスもしてあげることもできません。

なので、こういう時は私がなぜ今リクルートに入ることにしたのかを話すことにしています。そしてその話をする上で、私がこれまでどのように新卒の就職活動時に社員1ケタのベンチャー企業にいた時から、大企業であるリクルートに入ろうと思ったのか、今に至るまでに思い悩み、挫折し、時に裏切られ、そして救われて今ここにいるのかを伝えるようにしています。

今キャリアを真剣に考え始めている就職活動の子へ、稚拙ながら私のこれまでの話をこの場を借りて伝えたいと思います。

◆ベンチャーで始めるはずだったファーストキャリア


私は大学を卒業したら、当時社員の数が1ケタのベンチャー企業へ入社する予定でした。とはいえ、就職活動自体はけっこうマジメにやっていました。当時は夏から就職活動のインターン採用などがあったので、夏から外資系コンサルや銀行、広告業などなど、様々なインターンに参加していました、私にとっては初めてビジネスというものに触れた経験だったので、とても新鮮で楽しかったのを覚えています。

最終的にはいくつかの大企業とベンチャー企業から内定をもらうことができ、就職活動を終えました。おそらく結果だけを見たら、割と就職活動はエンジョイしていた方の学生だったと思います。当時は変に斜に構えていた時期でもあったので、大企業の役員さんとケンカをして帰ってきたこともあったりと波瀾万丈ではありましたが(笑)

しかし、内定をもらったどの企業も、いまいち自分が働くことが想像できず、悩み始めました。今となってはまだ働いたこともないのだから想像がつかないのは当たり前だったのですが、当時の私にとってはどうしても無視できない違和感だったのです。

当時の私は、良くも悪くも、自分を過信していました。20代のうちでバリバリ活躍したかったし、起業も悪くないと思っていたし、お金持ちになりたいといつも考えていました。それ自体は悪いことではないと思いますが、とにかく視野が狭かった。長い人生の中で、まるで20代で全ての人生が決定づけられるような気持ちで、そのくせ実力は大したことはないので焦りばかりがつのっていました。背伸びをして意味も分からない経営の本やマーケティングの本ばかり読んでいて、かなり痛い子だったと思います(笑)

そんな考えもあり、私は内定をもらっていた企業全ての内定を断り、社員1ケタのベンチャー企業にジョインすることを決めました。当時は営業のインターンをしていたこともあり、ベンチャー企業で働くということが最もイメージできましたし、自信過剰で自分ならやれる!と無根拠な自信を持っていたため、この決断は最も正しいものだと思いました。

周りの人の反対は、やはりありました。親もできるなら大企業で幸せになってほしいと思っていたようですし、それは子供の幸せを願う親ならば当然の心理だと思います(もちろん、大企業だから幸せ、ということでは全くありませんが)。しかし、最も成長ができる環境に身をおきたいと考えていたので、周りのアドバイスもきかず内定辞退をしました。

これからビジネスマンとして飛躍してやる、鼻息荒く残りの大学生活をその内定先のベンチャーで働くことにしました。

◆業績悪化、そして社長に裏切られる

意気揚々とベンチャー企業でフルコミットを始めたのは良かったのですが、やはりビジネスの世界は甘くありませんでした。当時新規事業としてwebサービスを立ち上げたりもしたのですが、どれも鳴かず飛ばず...

上手くいかない時期があっても、自分がこの会社を救うんだというミッションを持って仕事をしていました。しかし想い虚しく、どんどん会社の業績は悪化していきました。今となっては明らかにビジネス的に間違いであろうことをたくさん犯していましたし、社長のやり方が明らかに間違っているだろうと思ったこともありました。しかし、経験も知識もない当時の私にはその意見を相手に説明し納得してもらうだけのコミュニケーションがとれませんでした。

会社の空気がどんどん悪くなり、社員のモチベーションだけが下がっていく中で、当時インターンリーダーだった私もどん底の気分でした。おまけに業績を何とかしようと社長は私にムチャな要求をたくさんしてきたので、私もその要求に応えることができず自己嫌悪に陥りました。何をやっても上手くいかない、会社のメンバーも頼れない。どんどん会社での居場所がなくなっていったのを、今でも昨日のことのように覚えています。

そしてある日、私は社長に突然の解雇を突きつけてきました。それも、大学の最後の学期の科目登録日に。午前中を科目登録で会社を休んでいた私に、社長から着信が残っていました。「あ、何か嫌な予感がする」と思いiPhoneを見てみたら、そこに社長からFacebookメッセージが入っていました。色々書いてありましたが、まとめると、

「最近の仕事ぶりも悪いし、仕事は学校で休むし、会社を辞めてもらうことになりました」

ということでした。私はにわかには信じられず、大学の図書館で数時間の間、茫然自失でした。その時、私が大企業の内定を受けるか迷っていた時に、

「お前と一緒に仕事ができたら嬉しい。一緒にやろう!」

と言ってくれた言葉を思い出しましたが、もはや虚しいだけでした。あまりにもあっけない幕切れで、私は突然、居場所とそれまで全てを捧げたものを失いました。大学4年の3月のことでした。

◆捨てる神あれば、拾う神あり

それから私は、すでに蹴った内定を激しく後悔しつつ、就職活動をすることにしました。幸いなことに大学の卒業が6月だったので(学校が3学期制と特殊でした)、少しだけ時間がありました。単位も取り終えていたので、改めて就職活動をしようと思いました。しかし、もうその時にはすでに新卒の就職活動は終わっており、私を受け入れてくれる会社はほとんどありませんでした。

「なんであの会社に入ろうと決めたんだろう…」

ずっとずっと後悔の念にかられつつ、前の社長を恨みました。なぜこれだけ尽くした人間に、こんな仕打ちができるのかと。私はビジネスの世界で業績悪化した会社がいかに冷たいか、いかに理不尽か、思い知りました。

そんな中、たまたま採用を遅くまでやっていたのが、私が前にいたソーシャルゲームの会社でした。数百人ほどの上場企業で、ベンチャーの雰囲気がまだ残っていて、当時の私にとってはとても魅力的に見えました。そして当時めちゃくちゃに働いていたことが幸いしたのか、内定をもらうことができました。

まさに捨てる神あれば拾う神あり。私はまた、ベンチャーマインドを胸に頑張ろうと復活しました。そこで約1年ほど働きました。先輩に恵まれ、多くのことを学ぶことができました。今振り返っても、とても感謝しています。

そこで、私はスマートフォンのアプリのディレクターをしていました。仕事はそこそこ楽しかったし、順調だと思っていました。しかし、私はまた迷い始めました。

「私が将来なりたい自分は、何だろう?」

私は別にゲームが大好きでもなく、アプリが大好きというわけでもありませんでした。なんとなく新卒で入ったら楽しそうだといくくらいの理由で入ったので、それはそれで悪いことではありませんが、仕事が大変になってきた時、辛くなってきた時、迷いが生まれるようになりました。

「なぜこんな辛いことをしているのだろう?」

「これが本当に自分がやりたい仕事なんだろうか?」

こう思い始めたが最後、仕事が手につかなくなりました。元々器用ではなく、100%か0か、極端な性格でした。迷い始めてからは、会社に行くことすら辛くなってしまいました。

このままではダメだ。そう思い、当時人事の責任者で役員だった方に相談をしました。自分の思いのまま、正直に話しました。もうどうなってもいい、これ以上ごまかし続けるのは無理だと思ったからです。その場で「甘ったれるな!」と罵倒される覚悟で話しました。正直、かなり勇気がいりました。しかし、返ってきた言葉は、私の生涯忘れられない言葉になりました。

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