秘密の扉 05

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店内の出来事


木のドアーを開けると、店内は明るく、カウンター席がとテーブル席が四つあり、こぢんまりとした店という感じが、観賞植物があり、バック音楽にクラッシックが流れ、今は聞き覚えのあるベートーベンの田園、落ち着く店の雰囲気で、凉子は気に入ってしまった、ふっと壁に目をやれば、壁には至る所、風景写真や動物の写真が展示され、その下に題名と作品者名があった。テーブル席は一杯だったので、私達はカウンター席に座り、奥の方でオーナらしき男性が、「いらっしゃいませ」初めてのお客様ですね

凉子は「そんなことわかるの」

オーナは「わかりますとも、これをご縁に今後ともよろしく」

さて何にしましょう。

私はホットコーヒー

良子も「ホットコーヒーでいいわ」

「かしこまりました」

良子が「いい感じの店じゃない」言ったので私も「気に入ったわ」といい、なんで帰宅途中でこんな店が眼に入らなったのかしらと思った。

「凉子ずいぶん久々だけどどうしていた。」

「高校を卒業して以来だから二年ぶりになるね」

「そうね」

「私は今アルバイト帰りなの、そこのスーパーでレジを担当しているの」

「そう、私は高校を卒業してすぐに就職して、今、食品会社なんだけど、充実した毎日を送っているわ、」と言って、良子の顔が突然険しくなり、「今日、嫌なことがあったの」

「どんなこと」

「調理する前の、様々な食材を準備するのが、私の仕事なのね、私の休みの日に天ぷら粉の保管場所が変わったのよ、計量作業が終わったから、残った天ぷら粉を以前の保管場所に戻したのよ」

「それからどうなったの?」

「その時に入庫の人に、なぜ決められた場所に置かないんだと注意されたわ、私、保管場所が変わったなんて聞いていないし、向こうは、私がそれを知っているつもりでしゃべっていて、反省しろだって」

凉子はそれを聞いて、「それは知らなかったから、無理ないんじゃない」

「そうでしょう、反省しろなんて、あっけにとられて、無茶だわ、その時はずいぶん頭にきたけど」

「ん?」

「冷静になって考えて見たのよ、人は、自分の思い込みで動き、人の立場なんて考えていない場合があると、考えにいたったの」

凉子は「そうなんだ」と言った

良子は話し終わったら安心したのか、安堵の顔になった。

「それはいい教訓を学んだんだね」


「そうよねぇ、それがなかったら思い込みでしゃべっている事なんてなんて、あるとは思いもしなかったわ」

凉子は朝の出来事を良子に「ねぇ、聞いて、今日の朝、私が道を歩いているとき、向かい側から、男の人に立ち止まり、向きを変え中腰になると、向こうから五歳くらいの女の子が笑顔で父の胸に飛び込み、

父はその女の子を抱きかかえ、笑顔で向きを変えて走っていった」

良子は「それでどうなったの」

凉子は、「その後から母親らしき人が、自転車に乗って追いかけていったの」

「いい話ねぇ、嘘みたいな話だよね」

「本当の話よ、それを見ていると、なんだか、こちらまで嬉しくなって、今日一日ルンルン気分で過ごせたわ」

その後、良子とのとりとめのない話を一時間ほどしゃべり、店をでた。

電車に乗り、下車後、帰宅途中に桜並木を通ったとき、向かい風を吹き、桜の花びらが顔に・・・・凉子は幸せな気分に浸った。


秘密の扉 06へ続く



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