第6話 ワクワクで生きる。【少し不思議な力を持った双子の姉妹が、600ドルとアメリカまでの片道切符だけを持って、"人生をかけた実験の旅"に出たおはなし】

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第六話 ワクワクで生きる


maho
…申し訳ございません!辞退させて下さい!!



深く頭を下げたその足は、小刻みに震えている。

緊張と不安で胃がキリキリした。




ーうん。これでいいんだ。




震えるからだとは別に、心はしっかりしていた。

この日、私は自分の人生で大きな決断をした。



それは7年間追いかけてきて、そして自分の全てだった

"デザイナー"になるという夢を捨てた日だった。



そして、"自分を生きる"と決意した日だった。



もう3.11から半年がたっていた。



3.11 あれから  



けんちゃん
まほ、人間力をつけなダメや。


けんちゃん
自分で感じて行動するんや。携帯とか情報じゃなくて、自分で判断するんや。



地震の後のゴッチャの新宿駅

まっすぐ向き合ったけんちゃんのことばが忘れられない。



歩いて帰宅する人たち

明日休みだと騒ぐサラリーマン

動かない電車

何度も言っていることが変わる報道番組


携帯がないと何も出来なかった私。


そして、3時間同じ場所で待ってくれたけんちゃんの、

他の人を助けに行く後ろ姿。




ーあれ?何が正しかったっけ?

ーえっと、わたし、何に認められたくて頑張ってた?




あの日3.11をさかいに、自分の何かが揺らいだ。

今まで持っていた価値観がグラグラと崩れ始めていた。



ずっと目標を追いかけて、何かに認められるように生きてた私。

デザイナーになるのも、洋服が好きなのも、

全部間違いなく、自分で選んだはずだった。



だけど、だけど、気づいてしまった。


 

  ー今人生が終わったら、本当に後悔する 



私は、今の自分の人生が、好きじゃなかったんだ。



生きたい人生ってなんだろう?



それからは葛藤の日々だった。



今年は2年通った学校も卒業の年。

もちろんそのあとは就職が待っている。



周りの友達はどんどん就職が決まっていた。



だけど、私は”デザイナー”で生きていくことに違和感しかなかった。

”デザイナー”どころか、もう、前の生き方に戻るのが嫌だった。



でも反対に、この違和感を認めたくない、今まで持っていたものを手放したくない。



そんな真逆な自分との戦いが繰り広げられていた。



夏休みは、生地屋さんに行ったり染めの職人さんのところへ行ったり、

今までの勉強が無駄にならないような、色んな職種を見に行く。



”デザイナー”という目標が違っただけなのかもしれない。

他の職種なら、違和感はないのかも。

他の仕事なら、またいつも通り追いかけれるのかも。



そんな言い訳のようなココロを引きずりながら、いろんな職種見学をハシゴしていく。

だけど違和感はなくなるワケがない。そんなところ、本質ではないのだから。



ピンとくる“仕事”がないなら、と、今度は大学を見に行くことにした。



大学で学び直せばいい。

資格を取ればまた何か見つかるかもしれない。

そうだ!肩書があったほうがなにかと便利だし!


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